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医院承継(医院継承)とは?譲る側・譲り受ける側のメリットや流れを解説
現役開業医の平均年齢は徐々に高齢化の傾向にあり、その背景には、後継者がいないため地域の医療を守るために簡単にはリタイアできないなどの現状があると言われています。そこで注目を集めているのが、医院承継(医院継承)という開業スタイルです。この記事では、医院承継(医院継承)とは何か、譲る側と譲り受ける側のメリットや流れについて解説します。
クリニックを継承する際は、さまざまな届出や行政手続きが必要です。
個人診療所を継承するか、医療法人を継承するかによっても異なります。
この記事では、クリニック継承に必要な届出や手続きについて、個人・法人に分けて分かりやすく解説します。
個人経営のクリニックを継承する場合、診療所開業時の届出や手続きの義務は医師個人に帰属します。
クリニックを譲渡する側は「廃止届」、継承する側は「開設届」の届出をするところから手続きが始まります。
主な届出先は、「保健所」と「厚生局」です。
クリニック継承の際、保健所への届出に必要な書類は、自治体によってはホームページからダウンロードできますが、書類の名称、届出方法や必要な添付書類は自治体によって異なるため、事前に管轄の保健所で確認しておきましょう。
必要な届出は、主に以下の通りです。
クリニックを譲渡する側の院長は、管轄の保健所に診療所の廃止届を提出します。
手続きを行う人 | 譲受する側の院長 |
提出先 | 譲渡するクリニックを管轄している保健所 |
提出期限 | 廃止後10日以内 |
提出部数 | 2部 |
添付書類 | 開設時の開設届など |
参考:東京都保健医療局 東京都多摩府中保健所
参考:千葉県 健康福祉部医療整備課医療指導班
参考:中央区保健所生活衛生課医事薬事係
郵送での届出が認められていない自治体もあります。
窓口で手続きを行う場合、本人確認が行われるため、マイナンバーカードや運転免許証などの身分証明書を持参しましょう。
クリニックを継承する側の院長は、診療所開設から10日以内に診療所の開設届を提出します。
手続きを行う人 | 継承する側の院長 |
提出先 | 継承するクリニックを管轄している保健所 |
提出期限 | 開業後10日以内 |
提出部数 | 2部 |
添付書類 |
|
参考:東京都保健医療局 東京都多摩府中保健所
参考:千葉県 健康福祉部医療整備課医療指導班
参考:中央区保健所生活衛生課医事薬事係
クリニック継承の際、厚生局への届出に必要な書類は、管轄する厚生局のホームページからダウンロードできます。
必要な届出は、主に以下の通りです。
保険医療機関及び保険薬局の指定並びに保険医及び保険薬剤師の登録に関する省令により、クリニックを譲渡する側の院長は、管轄の厚生局に保険医療機関廃止届を提出します。
手続きを行う人 | 譲渡側の院長 |
提出時期 | 保険医療機関又は保険薬局を廃止したとき |
提出先 | クリニックを管轄している厚生局 |
提出方法 | 窓口または郵送 |
添付書類 | 保険医療機関又は保険薬局の指定通知書 |
クリニックを継承する側の院長は、管轄の厚生局に保険医療機関指定申請書を提出します。
手続きを行う人 | 譲受側の院長 |
提出時期 | 保険医療機関又は保険薬局の指定を受けようとするとき |
提出先 | クリニックを管轄している厚生局 |
提出方法 | 窓口に提出または郵送 |
添付書類 |
|
また診療開始月の月初からオンライン資格確認を導入する場合は、「受付番号情報提供依頼書兼回答書」の提出も必要です。
医療法人のクリニックを継承する場合、診療所開業時の届出や手続きの義務は医療法人に帰属します。
また、法人の承継に伴う理事長や社員の異動に関する手続きが必要となります。
医療法人のクリニック継承の際も、保健所への届出に必要な書類は、自治体のホームページからダウンロードしましょう。
書類の名称、届出方法や必要な添付書類は自治体によって異なるため、事前に管轄の保健所で確認しておくと安心です。
必要な届出は、以下の通りです。
クリニックの継承に伴い、医療法人は管轄の保健所に、診療所開設許可(届出)事項一部変更届を提出します。
手続きを行う人 | 医療法人の代表者 |
提出時期 | 変更後10日以内 |
提出先 | クリニックを管轄している保健所 |
添付書類 |
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参考:東京都保健医療局 東京都多摩府中保健所
参考:千葉県 健康福祉部医療整備課医療指導班
参考:中央区保健所生活衛生課医事薬事係
厚生局への届出に必要な書類も、厚生局のホームページからダウンロードできます。
窓口での提出または郵送も認められていますが、管轄の厚生局に事前相談をしておくとスムーズです。
クリニックの継承に伴い、医療法人は厚生局に、保険医療機関届出事項変更(異動)届を提出します。
手続きを行う人 | 医療法人の代表者 |
提出時期 | 保険医療機関又は保険薬局のうち、指定の申請事項に変更が生じたとき |
提出先 | クリニックを管轄している厚生局 |
提出方法 | 窓口または郵送 |
添付書類 | 保険医又は保険薬剤師の登録票の写し |
医療法人のクリニック継承にあたっては、法務局へも届出が必要です。
法務局へは、医療法人変更登記申請書を提出し、変更登記を行います。
変更登記申請書の提出には、社員総会議事録、理事会議事録、就任承諾書などの添付書類が必要です。
提出先 | クリニックを管轄している法務局 |
添付書類 |
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参考:法務局 医療法人(役員変更登記〔理事長の重任〕・資産の総額の変更)
医療法人の役員に変更が生じた場合、都道府県知事への届出も必要となります。
クリニック継承に伴う医療法人の役員変更届には、役員名簿、社員総会(評議員会)議事録、理事会議事録などの添付書類が必要です。
提出先 | クリニックを管轄している自治体 |
添付書類 |
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参考:東京都保険医療局
クリニック継承に伴う医療法人の変更登記が完了したら、管轄する自治体に登記事項変更登記完了届を提出します。
名称 | 記事項変更登記完了届 |
提出先 | 管轄している自治体 |
添付書類 | 履歴事項全部証明書 |
クリニック継承に伴う届出や行政手続きは、設立形態(個人・法人)や管轄の保健所、厚生局、自治体などによって書類の内容が異なり、思った以上に大変です。
クリニックの継承は譲渡側、譲受側それぞれにメリットがありますが、それに伴う契約、交渉、届出や手続きを医師が一人で行うのは現実的ではありません。
医師の高齢化や後継者がいないなどの理由から、既存のクリニックを継承して開業するケースは増加傾向にあります。
クリニックの継承手続きは、医療業界のM&Aに慣れたコンサルティング会社に仲介を依頼するのがおすすめです。
名南M&Aは、全国で800件以上の医院経営の安定・成長をサポートしてきた実績とノウハウの蓄積があります。
クリニック継承や手続きに関するお悩みは、ぜひ名南M&Aにお気軽にご相談ください。
現役開業医の平均年齢は徐々に高齢化の傾向にあり、その背景には、後継者がいないため地域の医療を守るために簡単にはリタイアできないなどの現状があると言われています。そこで注目を集めているのが、医院承継(医院継承)という開業スタイルです。この記事では、医院承継(医院継承)とは何か、譲る側と譲り受ける側のメリットや流れについて解説します。