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歯科医院の親子継承における手続きの流れやポイントを解説
歯科医院を親子継承する場合、生前の継承なのか、親が亡くなった後の継承なのかによって、注意しなければならないポイントが異なります。 そこで今回は、歯科医院の親子継承における手続きの流れやポイント、注意点について解説します。
医師の高齢化や後継者がいないなどの理由で、医業承継(医業継承)を行う医院(クリニック)は増加傾向にあります。医業承継は、医院を譲る側だけでなく譲り受ける側にもメリットがあります。
この記事では、医業承継とは何か、医院を譲る側と譲り受ける側、それぞれのメリットや注意点をまとめて解説します。
目次
歯科医院を親子間で継承する場合、大きく分けて2つのパターンがあります。
1つは生前の継承で、2つ目は死後の継承です。まずはそれぞれについて、詳しく解説していきます。
医業承継(医業継承)とは、すでに開院している病院や医院を第三者が譲り受ける形で病院や医院の経営を行うことを指します。
以前は医業承継というと親子間や親族間などで行われることが一般的でしたが、子供が医師ではない場合や医師であったとしても診療科目が違うなど、後継者がいないことに悩む医院は多く、血縁関係のない第三者に医業承継をするケースも増えてきています。
医業承継(医業継承)は、医院を譲る側にも譲り受ける側にもそれぞれメリットがあります。
医業承継で医院を譲る側のメリットは、以下の通りです。
後継者がいない医院の経営者が高齢などを理由にリタイアする場合、その通院している患者は他の病院や医院に転院しなければならなくなります。周辺に同じ診療科目の医院があれば良いですが、そうでない場合、患者は治療を継続することが難しくなります。特に地域の医療を担っている医院の場合、医業承継することで通院患者の治療を継続することができ、地域の医療を守ることができるため、安心してリタイアすることができるでしょう。
また、医院を閉院してしまうと現在働いているスタッフは職を失うことになりますが、医業承継の条件にスタッフの継続雇用を含めることで、スタッフの雇用先の確保にもつながります。
医療承継の場合、医院を譲る側は譲渡金を受け取ることができます。医業承継を機にリタイアする場合は、譲渡によって得た資金で老後にゆとりある生活を送れるのもメリットの一つです。
医業承継で医院を譲り受ける側のメリットは、以下の通りです。
医院を新規で開業する場合、土地・建物の購入または賃貸契約にかかる費用、内装工事費、医療機器や備品の購入費など、多額の初期費用がかかります。また、受付スタッフや看護師など、新たなスタッフを採用するための求人広告費なども必要です。開業にあたって多額の初期費用がかかると、その後の経営にも影響がでてくるでしょう。
医業承継の場合、対価の支払は必要ですが、新規で医院を開業するよりも大幅に初期費用を抑えることができます。さらに患者やスタッフを引き継ぐことも可能なため、求人広告費を抑えることができるのはもちろん、慣れたスタッフが居ることでスムーズに承継できるというメリットもあるでしょう。
さらに、医業承継なら医院の認知度がある状態で開業することができるため、集患にかかる費用を抑えることができるほか、近隣の病院や医院との連携もしやすく、また過去の実績からある程度の患者数は予測できるため、経営を軌道に乗せやすいのも大きなメリットとなります。
医業承継(医業継承)は、医院を譲る側・譲り受ける側どちらにもメリットが多いですが、注意しなければならないこともあります。
医業承継で医院を譲る側は、以下の点に注意しましょう。
医業承継を行う場合、当然ながら経営者が変わることになるため、診療方針が変わるという可能性は十分あり得ます。患者やスタッフが安心して通院や雇用を継続するためには、譲り受ける側と診療方針などについてしっかりと擦り合わせをしておくことが大切です。
また、医業承継を行うためには、承継先となる医師を探すところから始めなければいけません。医師が見つかったとしても、譲渡対価を決定するために事業価値の評価などを行い、お互いが納得できる条件で交渉を進めていくことになります。
それだけではなく、基本合意書の締結、デューデリジェンス、最終締結に向けて譲渡及び引継ぎ業務に付随する各種の取り決めなどもしていく必要があり、税務・労務・法務などの専門的な知識が必要な場面も多いため、それぞれの分野に長けた専門家を探す必要もあるでしょう。
医院の経営を続けながらこれらの煩雑の手続きを行うのは、至難の業と言っても過言ではありません。そのため、医業承継に関する手続きはM&A仲介業者に依頼するケースが多くなっています。
医業承継(医業継承)で医院を譲り受ける側は、以下の点に注意しましょう。
医業承継により医院を譲り受けることで、新たに土地や建物を用意する必要がないため、初期費用を大幅に抑えられるというメリットがありますが、承継後、建物や医療機器の老朽化などによる修繕費が発生する可能性がある点には注意が必要です。
また、経営者が変わることで患者離れやスタッフが離職してしまう可能性もあるため、承継前に全経営者と経営方針やオペレーションの擦り合わせを入念にしておくなどの対策をしておくことが大切です。
医業承継(医業継承)は、譲る側・譲り受ける側どちらにもメリットがありますが、スムーズに承継するためには医師としての知識だけではなく、交渉力や手続きに関する専門知識も必要になります。
特に医業承継の場合、一般企業のM&Aよりも内容が複雑なため、医師が一人ですべての手続きを行うのは困難と言って良いでしょう。
医業承継を成功させるためには、信頼できるM&A仲介業者を選ぶことが重要です。
M&A仲介業者を選ぶ際は、以下の点に注意して選ぶと良いでしょう。
M&A仲介業者を選ぶときは、ホームページなどで実績を確認したうえで、問い合わせや商談時に信頼できる会社かどうかをしっかりと見極めるようにしましょう。料金体系が分かりやすいのはもちろん、一般企業のM&Aではなく医業承継に関する実績が豊富な会社を選ぶと、安心して任せられるのではないでしょうか。
医業承継は、譲る側・譲り受ける側にそれぞれメリットがありますが、さまざまな準備や専門的な知識が必要になるため、手続きについてはM&A仲介業者に依頼するのがおすすめです。
名南M&Aは、全国800件の医療機関の業務サポートで培ったグループノウハウと、医業専門チームが一丸となり医師のサポートを行っています。承継開業までの煩雑な手続きや交渉を、担当アドバイザーが窓口となり、実績のある税務・労務・法務・不動産・資産形成等有資格者の専門家がチームになり、バックアップいたします。 医業承継を検討されている方、承継開業を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。歯科医院を親子継承する場合、生前の継承なのか、親が亡くなった後の継承なのかによって、注意しなければならないポイントが異なります。 そこで今回は、歯科医院の親子継承における手続きの流れやポイント、注意点について解説します。