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親子間の医院継承はトラブルになりやすい?手続きの流れや失敗を防ぐコツ

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医院継承は、親子や親族間で行われることが多いですが、親子間だからこそのトラブルが発生してしまうケースも少なくありません。そこで、親子間での医院継承の流れや、失敗を防ぐコツを紹介します。

親子間の医療継承にはどんな方法がある?

親子間で医療継承を行う場合、事業を譲る親が生きているうちに継承を行う「生前贈与による継承」と、親が亡くなったあとに継承を行う「相続による継承」があります。

生前贈与による継承

医院を譲る親が生きているうちに行う医院継承は、親子間で継承を行うことから売却や貸付という形ではなく贈与という形で継承されることが多くなっています。日本では医院以外でも親の会社や事業を継ぐという考え方が浸透しているため、親子間での継承の場合は贈与による継承が一番自然な流れとも言えます。

相続による継承

親が亡くなってから医院を継承する場合は、厳密にいうと継承ではなく相続という形になります。そのため、医院を譲りたい子どもに対してスムーズに引き継ぐことができるように、相続の希望を遺言書などにきちんと残しておくことが大切です。
遺産相続には優先順位があり、基本的には配偶者、子ども、親、兄弟姉妹の順番に遺産分割を行っていきます。ただし、法的な効力がある遺言書が残されていた場合は、故人の遺志が尊重されます。しかし、相続には遺留分制度といって一定の範囲の法定相続人に対して最低限の遺産取得を保障する制度があります。遺言書があった場合でも法定相続人が複数いる場合は、遺留分として他の法定相続人に対して代償金を支払わなければならなくなる可能性もあるため注意が必要です。

医院継承を親子間で行うメリットは?

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親子間で医院継承を行うメリットとしては、以下のような点があげられます。

費用を抑えて継承できる

医院を第三者から譲り受ける場合、新規開業よりも初期費用を抑えることができますが、高額の譲渡代金を支払う必要があります。しかし、親から譲り受ける場合は、贈与や相続という形で継承されることが一般的なため、費用を抑えて医院継承を行うことができます。

信頼できる相手に継承できる

第三者に医院を継承する場合、相手がどんな人なのか分からない状態から交渉がスタートします。しかし、 親子間で医院継承を行う場合は、医院を譲る側も譲り受ける側も親子なので、信頼できる相手と医院継承することができます。

継承後もアドバイスがもらえる

医療の経験や実績があったとしても、実際に院長として医院を切り盛りするようになるとうまくいかないことが起こる可能性があります。しかし、医院継承によって経営権が移ったとしても親子の関係は変わらないため、親子間の医院継承は継承後のアドバイスが受けやすいことも大きなメリットと言えるでしょう。

親子間の医院継承にはデメリットもある?

親子間の医院継承には良い点もありますが、親子だからこそ起きやすいトラブルやデメリットもあります。

経営方針の違いによるトラブル

医療の世界は、日々進化をしています。そのため、創業者である親が医師になった時代と子が医師になった時代とでは、診療方法や医療機器、薬などが大きく変わっています。そのため、診療方針の違いや経営方針の違いが原因でトラブルが発生することも少なくはありません。

負債も引き継ぐことになる

継承前のクリニックの経営状態が赤字だった場合や、借入金などの残債があった場合は、財産だけではなく負債も引き継ぐことになります。継承後のトラブルを防ぐために、医院継承を実行する前にクリニックの経営状態や負債状況を事前に把握しておかなければ、負債が原因でトラブルに発展してしまう可能性があるでしょう。

スタッフ・患者離れ

親子間での医院継承であったとしても、経営者が変わることでスタッフや患者離れが起こる可能性があります。特に前任の院長とスタッフや患者との関係が強い場合や、診療方針や経営方針が大きく変わってしまう場合は注意が必要です。継承後のスタッフや患者離れを防ぐためには、継承前に創業者と一緒に医院で診療する時間をできるだけ確保して、スタッフや患者とのコミュニケーションを図っておくなどの対策が必要です。

親子間の医院継承で失敗を防ぐコツ

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親子間の医院継承で失敗を防ぐために、「お互いを尊重し合う」「できるだけ早いタイミングから継承の準備を始める」「初めから後継者として育てる」など、医院継承をスムーズに進めるための対策を講じておきましょう。

親は、子どもが受け継いでくれるのが当たり前だと思っていても、子どもは医院を継ぐ意思がないケースもあります。このような行き違いを避けるために、できるだけ早いタイミングから継承の準備を始める、初めから校正者として育てることが必要だと言えるでしょう。
また、親子間で医院継承を行う場合、遠慮がないためお互いに自分の考えを主張しすぎてしまう傾向があります。医院を譲り受ける子ども側は、親に対して「多くの患者やスタッフからの信頼があったからこそ今まで医院が継続して来られた」という気持ちを忘れないことが大切です。また、継承する親側も子どもへ医院の継承を決意したあとは、子どもを信頼して見守ること、任せる気持ちを持つことを心掛けるようにしましょう。

相続という形で子どもが医院を引き継ぐ場合は、家族間で遺産分与に関するトラブルが発生する可能性があります。特に法定相続人が複数いる場合は、遺言書などで医院を継承する子どもとそれ以外の法定相続人とのトラブルを回避するための対策を講じておくようにしましょう。

跡継ぎがいない医院の継承は名南M&Aにご相談ください

医院を継いでくれる子どもがいる場合、親子間での医院継承には多くのメリットがありますが、近年では子どもがいても医師ではない、そもそも後継ぎがいないというクリニックも増えています。後継ぎがいない場合、高齢になり、体力的につらくなってきているといった状況になっていた場合でも、地域医療を担う役割が大きいことから、閉院やリタイアをしたくでもなかなか決断できないという医師も少なくありません。後継ぎがいない医院の場合は、血縁関係のない第三者の医院を継承する第三者継承を行うことができます。
名南M&Aは、事業継承支援20年にわたる実績があり、800件の医療機関への業務支援実績あります。医院(クリニック)の第三者継承を検討している方は、ぜひ名南M&Aにご相談ください。

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