皮膚科医の平均年収は？

古いデータになりますが、「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科の勤務医の平均年収は、1,078.7万円です。 また、同調査によると、将来開業を希望する医師が特に多いのが、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科の医師です。他の診療科が10％以下であるのに対して、20％を超える医師が開業を希望しています。

開業を希望する理由は、「自らの理想の医療を追求したい」が44.2％と最も多く、次いで「勤務医の収入は労働時間に比べ賃金水準が低いと感じる」が43.2％、「勤務医として将来的に限界を感じている」が35.1％となっています。
この結果から、皮膚科の医師は自らの医療を追求し、年収アップが期待できる開業医をめざしている人が多いことが分かります。

皮膚科医が開業すると年収はどうなる？

では、実際に皮膚科の医師が開業した場合、年収はどう変わるのでしょうか。
皮膚科の個人診療所の所得は、2,792万円です。皮膚科医の平均年収が1,078万円なので、診療所を開業すれば、大幅な年収アップが期待できると言えます。

皮膚科の開業医の手取りはどれくらい？

個人病院や診療所を開業した皮膚科医の場合、収益のすべてが医師の給与になるわけではありません。

開業医の手取り額は、「収益」「経費」「返済額」によって変わります。
収益から、従業員の給与、設備費、医薬品や備品費、税金などを差し引き、さらに開業の際に融資を受けている場合は、返済に必要な金額も確保しておく必要があるでしょう。

皮膚科の開業医は、努力次第で大幅な年収アップを目指せる反面、収益次第では年収が減少してしまう可能性もあります。
そのため、収入アップを目的に開業医を希望するのであれば、おおよその収益と経費を予測し、融資の返済も考慮して、あらかじめどれくらいの手取り年収が見込めるかを計算しておくのがおすすめです。

皮膚科の開業医が手取り年収を増やすコツ

皮膚科の開業医が手取り年収を増やすには、収益を上げること、そして経費や返済額をできるだけ抑えることが重要です。
ここからは、皮膚科の開業医が手取り年収を増やすコツをいくつか紹介します。

自己資金で開業する

皮膚科の開業資金をすべて自己資金で賄う医師は少なく、融資を受けるのが一般的です。
少しでも自己資金の比率を増やすと月々の返済額が少なくなり、開業後の手取り年収を増やすことができます。

皮膚科の開業に必要な資金は、開業スタイルや開業場所によって異なります。
平均的な皮膚科の開業資金は、4,000万円～程度が目安となるでしょう。

皮膚科の場合、入院設備や高額な医療機器を必要としないケースが多いため、他の診療科と比較すると開業資金を比較的抑えることが可能です。
ただし、美容皮膚科を標榜する場合は、施術室や高額の医療機器が必要となります。
融資額が高額となり、返済負担が増える可能性が高いため、できるだけ自己資金を用意したうえで開業するのがおすすめです。

患者数を増やす

皮膚科の開業医として年収を増やすには、集患対策が必要です。
患者数を増やすことができれば、それだけ収益はアップします。

一般的なクリニックの平均患者数は1日40人程度だと言われています。

しかし、患者数をどれくらい見込めるかは、開業場所によって異なります。
例えば、都心や駅前の目立つ場所に開業すれば、特別な宣伝をしなくても集患しやすいというメリットがある一方で、競合となるクリニックも多く、家賃などの固定費も高くなります。
反対に、地方や郊外にクリニックを開業する場合、競合が少なく、家賃も安いというメリットがあるものの、集患できる患者数は都心に比べて少なくなることが予想されます。

皮膚科を開業する際は、どれくらいの患者数があれば経営が上手くいくのか、あらかじめ損益分岐点を算出しておくと良いでしょう。

ホームページやSNSを活用

ホームページやSNSは、低コストで活用できる宣伝ツールです。
特に美容皮膚科では、しっかりとホームページを作り込み、SNSでの宣伝活動を行うことが不可欠と言っても良いでしょう。

ホームページで診療メニュー、施術の流れ、実際の事例・ビフォーアフターなどを分かりやすく説明したり、SNSでキャンペーンやクーポン情報を発信することで、広告宣伝費を抑えつつ、集患対策を行うことが可能です。

承継開業をする

皮膚科の開業医として手取り年収アップを目指すなら、承継開業するのも一つの方法です。

承継開業とは、すでに開業している皮膚科のクリニックを引き継いで開業する方法です。
クリニックの建物や設備、医療機器はもちろん、クリニックに通う患者や働くスタッフも引き継ぐことができます。

そのため、「開業にかかる初期費用を抑えられる」「開業後の収益予測を立てやすい」などのメリットがあり、比較的早い段階で経営を安定させて、手取り年収を増やしやすいと言えるでしょう。

皮膚科の承継開業は名南M&Aにご相談ください

皮膚科の医師の場合、勤務医よりも開業医のほうが平均年収は高く、大幅アップを目指すことも可能です。
しかし、経営の仕方によっては年収が下がるリスクもあります。

開業医のゴールは、クリニックを開業することではありません。年収アップをめざして皮膚科を開業するのであれば、開業場所や開業方法をしっかりと検討する必要があるでしょう。

名南M&Aは、全国で800件以上の医療機関の業務サポートで培ったグループノウハウと医業専門チームが一丸となり、医院承継の支援を行っています。
承継開業後も、経営の安定・成長に向けて、グループ全体で徹底的に医師をサポートしていきます。
皮膚科の承継開業は、ぜひ名南M&Aにお気軽にご相談ください。