小児科の開業で目標とすべき患者数
小児科を開業する場合、1日あたりの患者数はどれくらいを目安とすれば良いのでしょうか。
小児科の平均患者数は、クリニックの立地や規模によって異なります。
一般的な小児科の平均患者数は1日40人、最低25人以上は必要と言われていますが、クリニックの規模によっては、60人以上必要なケースもあるでしょう。
目標とすべき平均患者数は、目標とすべき年間の売上から逆算して算出します。
例えば、目標とする年間の売上が3,000万円、平均診療単価が4,500円、月あたりの診療日数が22日の場合、目標とすべき平均患者数は以下のように計算できます。
3,000万円÷(4,500円×22日×12か月)=25.2525...
上記の場合、1日あたりの患者数は26人以上が目標となります。
小児科を開業したのに患者が来ない原因
目標とすべき患者数を定めたのにも関わらず、開業後にその目標を達成できない場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
続いては、小児科を開業したのに患者が来ない原因について解説します。
認知されていない
小児科に患者を集めるためには、まず認知される必要があります。
例えば、人目につかない郊外に戸建て開業した場合、地域住民に認知されていない可能性があるでしょう。
小児科を開業する際には、適切な宣伝活動を行わなければいけません。
特に、郊外に開業する場合は宣伝活動に力を入れるようにしましょう。
ホームページがない
幼い子どもを持つ保護者の方が、小児科探しに必ずと言っていいほど活用しているのが、インターネットです。
クリニックのホームページを作成しなければ、インターネットからの集患は狙えません。
また、ホームページを作成したとしても、情報が少ない場合やSEO対策をしていない場合は集患につながりにくいでしょう。役立つ情報をコラムとして掲載したり、SNSを活用して情報発信するのもおすすめです。
医療接遇・サービスが良くない
小児科の口コミは、同じ幼稚園・保育園に通う保護者の間や、インターネットで瞬く間に広がります。
良い口コミが広がればいいのですが、「あそこの先生は冷たかったよ」「受付の人の愛想がなかったよ」など悪い口コミが広がってしまうと、クリニックの人気は下がっていくでしょう。
小児科を開業するなら、淡々と診察を行うだけではいけません。
子どもたちにとって、病院は注射などの怖いイメージがつきものです。
少しでも子どもたちや保護者の不安を取り除けるよう、接遇やサービスを意識しましょう。もちろん、医師だけでなく看護師や受付スタッフ向けのホスピタリティ研修を実施するなど、適切な対策を行いましょう。
競合クリニックが多い
ファミリー層が多く、需要が高いエリアであっても、競合となる小児科クリニックが多い場合は、患者を集めにくい可能性があります。
何の理由もなくかかりつけ医を変える保護者は少ないからです。
特に、他クリニックとの差別化ができていないクリニックは、集患が難しくなってしまいます。
休日や夜間診療を実施したり、Web予約やオンライン問診に対応したりと、開業前から競合クリニックとの差別化のための施策を考えておくのがおすすめです。
開業前に考えておきたい小児科の患者数を増やす対策
小児科の患者数を増やすためには、開業前にさまざまな対策を行う必要があります。
ここからは、小児科向けの具体的な集患対策方法をいくつか紹介します。
立地戦略
まず重要になるのが、立地戦略です。
小児科の患者は車や自転車で来院するケースが多いため、駐車スペースが確保しやすい場所での戸建て開業を考えている方も多いでしょう。
しかし、人目につきにくい場所に開業する場合、適切な宣伝活動を行わなければ、なかなか認知度は高まりません。
そのため、大通り沿いや駅前に「看板」を設置するなど、視認性を高めるための工夫が必要です。
内装・環境づくり
小児科クリニックの開業後、1日あたりの目標患者数をキープし続けるためには、リピートしてくれる患者の割合を増やす必要があります。
そこで大切になるのが、内装デザインの工夫といった環境づくりです。
小児科クリニックは、子どもたちにとって注射などの怖いイメージがつきものです。
木材を基調とした温かみのあるデザインにしたり、カラフルな壁紙で可愛らしい内装デザインにしたりと、子どもたちが「またここに来たい」と思えるような環境づくりを心がけましょう。
キッズスペースや絵本コーナーを設置することも有効ですが、院内感染を防ぐために清掃・消毒を徹底することも重要です。
Web・SNS広告
小児科クリニックが患者数を増やすために欠かせないのが、Webマーケティングです。
自社のホームページを作成するのはもちろんですが、検索画面の最上位に表示されるリスティング広告の活用や、インスタグラムのSNS広告の活用など、インターネット上での集患対策をしっかりと行いましょう。
また、ホームページ内にお役立ちコラム記事コーナーを作成して、SEO対策を行うのもおすすめです。
YouTubeの活用
WebやSNSと合わせて活用して欲しいのが、YouTubeです。
最近では、オフィシャルチャンネルを開設して、子どもが風邪を引いた時の対処法や小児科クリニックの選び方などの動画をアップしているクリニックもあります。
院長自ら動画に出演することで、視聴者に親近感や安心感を持ってもらえるでしょう。
コンサルティングの活用
自力での集患対策に不安を感じるなら、小児科経営に強いコンサルティング会社に依頼するのも一つの方法です。
コンサルティング料はかかるものの、自分では思い浮かばないような施策を提案してもらえる可能性もあります。
承継開業で患者を引き継ぐ
新規開業での集患対策に不安を感じるなら、承継開業で患者を引き継いで小児科クリニックを開業するのがおすすめです。
承継開業とは、廃業予定のクリニックの経営基盤を引き継ぐという開業方法で、医療設備やスタッフ、患者などを引き継げるというメリットがあります。
小児科開業で患者数を増やすコツは名南M&Aにご相談ください
小児科の開業を成功させるためには、患者数の目標を定め、達成するための集患対策を行うことが大切です。
適切な宣伝活動や他院との差別化などさまざまな方法がありますが、もっともおすすめしたいのが、廃業予定のクリニックの経営基盤を引き継ぐ、承継開業です。
全国で800件以上の医療機関への業務支援実績がある名南M&Aでは、承継開業のサポートも行っております。承継開業が可能なクリニックの紹介から必要な手続きのサポートはもちろん、開業後の経営や集患対策についてもアドバイスさせていただきます。
小児科の承継開業にご興味がある方は、名南M&Aまでお気軽にご相談ください。