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医師の開業における実態とは?知っておきたいメリット・デメリット
医師にとって、開業医か勤務医かの選択は今後のキャリアを左右する大事な問題です。 そこで今回は、医師の開業における実態や、開業にあたって知っておきたいメリットやデメリットについて紹介します。
近年、診療所の売却案件が増加傾向にあります。
この記事では、診療所を売却する方法や相場、手続きの流れを分かりやすく解説します。コツや注意点についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
診療所の売却案件が増えている理由としては、以下のようなことがあげられます。
新型コロナウイルス感染症による影響で、飲食業を中心に約5,000件の企業が倒産に追い込まれましたが、医療業界も例外ではありません。
患者の受診控えなどが原因で収益が下がり、経営難に陥ってしまった診療所も少なくないでしょう。
ほかにも、厚生労働省によって進められている医療費抑制計画によって、診療報酬のマイナス改定や薬価基準の引き下げなどが行われたことで経営状態が悪化し、立て直しが難しくなっている診療所が増加しています。
厚生労働省が発表した「令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、令和2年12月31日現在の医師全体の平均年齢は50.1歳ですが、診療所の医師の平均年齢は60.2歳です。
医師の年齢は年々高齢化が進んでいますが、特に診療所の開業医・院長の高齢化は深刻な状態になっています。
年齢構成割合を比較しても、病院の医師の場合は30歳~39歳が28.3%と最も多く、次いで40歳~49歳が22.7%となっています。
一方で、診療所の場合は60歳~69歳が29.7%、次いで50歳~59歳が26.6%、なかでも70歳以上の医師の割合は、病院ではわずか4.9%なのに対して診療所では21.8%と高い割合になっています。
開業医の場合、定年という概念がないこと、開業時の医師の年齢が年々上昇していることもあり、高齢の院長が多い傾向にあります。
診療所の医師の平均年齢は平成22年以降上昇が続いており、この傾向はしばらく続いていくことが予想されています。
帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査(2020 年)」によると、全国・全業種での後継者不在率は65.1%ですが、病院・医療業界の後継者の不在率は73.6%と全業種よりも高い割合になっています。
特に診療所の後継者は「医師免許を所有している」「本人に引き継ぐ意思がある」「院長と同じ診療科もしくは近い診療科の医師である」など複数の条件を満たさなければならないため、他の業種よりも後継者が見つかりにくい傾向があります。
また、「医療機関の休廃業・解散動向調査(2021 年)」によると、医療機関の休廃業・解散の数が倒産件数の17倍超に及んでいるという結果も発表されています。
休廃業・解散とは、経営状態に問題がないにもかかわらず、後継者がいないなどの理由から事業を終了することです。
診療所の休廃業・解散件数は今後も増加していく可能性が高いと言われています。
診療所の売却相場は、診療所の規模、売上、医療機器・不動産などの財産、診療科目、開業からの年数など様々な要因によって変わりますので、一概には言えません。
売却価格は、「診療所の医療機械や在庫などの動産や、土地や建物の不動産としての価値」「患者数や診療所の評判(売上・患者数)」「診療科目」「従業員数と引き継ぎの有無」などの条件によって変わってきます。
診療所の売却価格を算出する際に最も多く使われているのが、「時価純資産価額法+営業権方式」という計算方法です。
時価純資産価額法とは、資産の時価総額から負債の時価総額を差し引いた時価純資産で企業や診療所の価値を算出する方法です。時価純資産価額法は、貸借対照表をもとに計算されているため、将来的に得られる可能性がある診療所の価値に対しての価格は含まれていません。
営業権とは目に見えない資産に対する価値のことで、「将来的に診療所が得られる可能性の利益を金額に換算したもの」と言い換えることもできます。時価純資産価額法に営業権方式をプラスすることで、目に見える形の資産だけではなく、これまで築いてきた診療所の実績や強みを売却価格に反映させることができます。
診療所の売却は、診療所の売却の経験が豊富なM&A仲介会社などに依頼して、以下のような流れで行うのが一般的です。
まずは信頼できるM&A仲介会社を見つけて、事前相談を行います。
事前相談では、診療所の現状や売却を検討している理由、希望の価格やスケジュールなどを伝えましょう。
診療所の売却に関する相談は、決算書など経営に関する重要な情報など、他に漏れてはいけない内容が多く含まれています。
そのため、一般的にコンサルティング会社やM&A仲介会社を利用する場合は、秘密保持契約の締結が行われます。
コンサルティング会社やM&A仲介会社を決定したら、アドバイザリー契約を締結します。
コンサルティング会社やM&A仲介会社は、診療所の強みや現在の価値を把握したうえで、売却を円滑に進めるためのプランニング、M&A戦略の立案を行います。
M&A戦略に基づき、コンサルティング会社やM&A仲介会社が具体的なターゲットの選定を行います。
また、相手先が特定されない範囲の情報をまとめた「ノンネームシート」をもとに、アプローチが行われていきます。
アプローチの結果見込みがあった場合は、コンサルティング会社やM&A仲介会社が間に入り、具体的な交渉を開始します。
基本合意契約とは、最終契約を締結する前に現段階での条件等を確認する契約書類です。
基本合意契約の締結には最終条件については法的拘束力を付さず、秘密保持義務や独占交渉権については法的効力を付す事が一般的です。
デューデリジェンスとは、契約を結ぶ前に買い手側が売り手側の財務や会計、税務、人事状況などについて調査を行うものです。
売り手側としては、買い手側からの資料請求に備え、必要な開示資料を漏れのないように準備しましょう。
デューデリジェンスの結果に問題がなく、最終条件の確認が終了したら、最終契約の締結を行います。
最終契約の締結は法的な拘束力が発生します。
そのため、契約締結後に売り手側または買い手側のどちらかが契約の解除を申し入れた場合は、申し入れを行った側に対して損害賠償を請求できます。
このような状況を避けるためには、最終契約を締結する前に条件などの契約内容を十分に検討しておくことが必要です。
診療所の売却をスムーズに進めるために、以下の点に注意しましょう。
診療所の売却価格は、「時価純資産価額法+営業権方式」で計算されることが一般的です。
そのため、純資産が多くあれば売却価格は上がる傾向にあります。
売却価格が高ければ多くの売却益を手にすることはできますが、売却価格が高すぎてしまうと買い手がつかずに売却までに時間がかかってしまうことがあります。
売却前に売るもの、売らないものを整理して、必要のない資産はあらかじめ処分しておくなどの対策が必要です。
診療所の売却には、確定申告書の写し(直近3年分)、レセプト数推移表、給与台帳、従業員名簿、賃貸借契約書、土地建物の図面などさまざまな資料が必要です。
また、デューデリジェンスを行う際にも買い手側から資料の提示を求められることがあるため、あらかじめ必要な資料や書類をまとめておくと売却をスムーズに進めることができます。
診療所の売却は、スタッフにとって雇用主が変わることを意味しています。(個人事業主の場合)
買い手側に引き続きスタッフを雇用してもらうことは可能ですが、事前の説明が不十分だった場合はトラブルに発展してしまう可能性があります。
スタッフとの不要なトラブルを避けるために、スタッフに対してしっかりとした説明をしておくことが重要です。
一方、譲渡先が決まっていないにもかかわらず、売却する事だけを先走って話してしまうと、スタッフのモチベーションの低下や離職を招きかねない為、説明するタイミングは慎重な判断が必要です。
M&Aを行うためには、条件に合う相手探し、交渉、売買契約の締結はもちろんですが、手続きに関わる労務、税務などの専門知識が必要です。
特に診療所などの医療業界では、一般事業会社とは異なる対応が求められます。
医療機関のM&Aの実績が多く、信頼できる仲介会社を見つけることが売却を成功させるカギと言えます。
近年、開業者である院長の高齢化や後継者がいないなどの理由から、診療所の売却案件が増加傾向にあります。
診療所のM&Aは、売り手側の医師だけではなく、これから開業を希望している医師にとってもメリットがある方法です。
しかし、医療業界のM&Aは一般企業とは異なる専門的な知識が必要で、手続きも煩雑です。
そのため、診療所の売却を行う場合はM&A仲介会社を利用することが一般的です。
名南M&Aは、全国約800件の病医院経営の安定・成長をサポートしてきた実績とノウハウで、M&Aにおける煩雑な手続きや交渉を担当アドバイザーが窓口となって行うなど、実績のある専門チームが診療所の売却をバックアップします。
診療所の売却は、名南M&Aにお気軽にご相談ください。
医師にとって、開業医か勤務医かの選択は今後のキャリアを左右する大事な問題です。 そこで今回は、医師の開業における実態や、開業にあたって知っておきたいメリットやデメリットについて紹介します。