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広域医療法人とは?メリットや注意点、M&Aスキームについて

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広域医療法人とは医療法で明確に定義されているものではなく、以前の行政上の手続きの関係で俗称として呼ばれていたものです。
ですが、現在でも広域医療法人に該当する医療法人は存在しています。
そこで今回は、広域医療法人とは何か、メリットや注意点、広域医療人化するためのM&Aスキームについて解説します。

広域医療法人とは

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広域医療法人とは、複数の病院、診療所を運営している医療法人でかつ運営している病院や診療所が2つ以上の都道府県をまたいでいる医療法人のことを指しています。
ですが、広域医療法人は医療法によって定義されているものではないため、広域医療法人になるための特別な認可というものはありません。

平成27年4月1日以前は、運営する(開設する)病院が2つ以上の都道府県にまたぐ場合、都道府県の管轄から国(厚生労働大臣)に移管する必要がありました。
そのため、医療関係者の間で、複数の都道府県をまたいで病院運営を行う医療法人のことを、「広域医療法人」と呼んでいたのです。

しかし、平成27年4月1日、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(平成26年法律第51号)が施行され、2つ以上の都道府県をまたいでいる場合も病院等を開設する医療法人の監督等に係る事務・権限については、厚生労働大臣から主たる事務所の所在地の都道府県知事へ移譲されました。
法律の施行によって、現在はすべて都道府県(知事)で手続きを行うことが可能になったため、2つ以上の都道府県をまたぐ複数の病院を運営する際も行政手続きが大きく変わることもなくなりました。

広域医療法人化のメリット

病院運営を広域医療法人化することで、以下のようなメリットが得られます。

診療圏を拡大できる

分院となる病院を設立すると、診療圏を拡大することができます。
複数の市区町村での診療ができるようになるため、患者数の増加が期待できます。

診療科や機能を分散できる

分院を設立し、病院運営を広域医療法人化することで、診療科や機能を分散することが可能になります。
1つの病院では難しい診療も、診療科に特化した専門の分院を設立する、在宅専門の分院を設立するなど、分院に専門性を持たせることで、他の病院との差別化した運営の実現も可能です。

運営コストを圧縮できる

病院運営を広域医療法人化すれば、本院、分院で共通の医療消耗品や備品をまとめて購入することで、発注単位を増やすことができます。
発注単位が増えると仕入れ単価を下げられることが多いので、結果として運営コストの圧縮につながります。

スタッフ採用・教育が充実する

分院を設立し、病院運営を広域医療法人化することで、本院と分院間でスタッフの行き来ができるようになります。
本院、分院それぞれ別のスタッフや患者に接する機会を作れるため、スタッフ教育を充実させることができます。
また採用活動を行う上でも、対象となる範囲を広げることが可能となり、優秀なスタッフの採用がしやすくなります。

広域医療法人化する際の注意点

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広域医療法人化すると多くのメリットを得ることができますが、注意しなければならないこともあります。

経営理念やコンセプトの継承

広域医療法人化し、分院を設立する場合は、経営理念やコンセプトも継承していくことが重要です。
経営理念やコンセプトに相違があると、本院の院長の考えが分院長に伝わらない、理念やコンセプトが分院に浸透しないといったことが起こります。

医師・看護師・スタッフの確保

広域医療法人化する場合、当然ながら分院で勤務する医師、看護師などのスタッフを確保する必要があります。
また、本院・分院の運営を1人の医師で行うことは難しいため、分院の運営は信頼できる医師に任せる必要があるでしょう。
特に広域医療法人化をする場合、本院と分院の場所が離れてしまうため、目が届きにくくなります。
分院で働くスタッフの採用は慎重に行うことが必要です。

信頼できる分院長の確保

分院長は、本院の院長に代わりに分院の運営を任せられる医師を確保する必要があります。
分院長として採用する人材は、医療の技術はもちろん、リーダーシップがあり、診療方針に相違がなく、本院長と相性の良い人材であることをしっかり見極めることが重要です。
分院長は、院長同様に重要な責任が問われるポストです。分院長にどこまでの裁量や権限を与えるのかなど十分に検討することも必要です。

広域医療法人化におけるM&Aスキーム

M&Aを利用して広域医療法人化を実行する場合、「持分譲渡」「事業譲渡」「合併」などのスキームが使われます。

医療法人のM&Aのスキームでよく使われるのが、持分譲渡です。
持分譲渡は、出資者の持分を売却することで、比較的スムーズに承継を進められるという特徴があります。

事業譲渡は、事業の一部を別の会社に譲渡するスキームです。
医療法人の場合、現在運営している分院のみを他の病院に譲渡するときに使われるスキームです。

合併とは2つ以上の医療法人が1つになるスキームで、吸収合併と新設合併があります。
吸収合併では、存続する医療法人が消滅する医療法人の資産、負債、従業員などをすべて引き継ぎます。
新設合併は、すべての医療法人が消滅し、新設で医療法人を開設します。

どのスキームを利用する場合でも、医療法人のM&Aは、一般企業のM&Aに比べて手続きが複雑で注意点も多いのが特徴です。
そのため、M&Aによる広域医療法人化を検討する場合は、医療法人のM&Aに慣れたコンサルティング会社を利用するのがおすすめです。

広域医療法人のM&Aは名南M&Aにご相談ください

分院を設立して広域医療法人化することで、診療圏を広げることができ、診療科や機能を分散できるほか、運営コストの圧縮やスタッフ採用がしやすいといったメリットがあります。
その反面、広域医療法人化を進める際には注意点も多く、M&Aの手続きも複雑です。
信頼できるM&A仲介会社に相談し、二人三脚で進めていくことをおすすめします。

名南M&Aには、事業承継支援20年にわたる実績と、グループで全国800件以上の医療機関への業務支援実績あります。
承継開業までの煩雑な手続きや交渉を、担当アドバイザーが窓口となり実績のある専門チームでバックアップします。
広域医療法人のM&Aは、名南M&Aにお気軽にご相談ください。

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