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医療法人の出資持分とは?よくある問題やM&Aスキームについて

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医療法人には、「出資持分あり」と「出資持分なし」の2種類があります。特に、出資持分ありの医療法人は、相続時や持分の払戻請求権を持つ社員の退職時などに、いくつかの問題が発生するケースがあります。
そこで今回は、医療法人の出資持分とは何か、よくある問題やM&Aスキームについて解説します。

医療法人の出資持分とは

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医療法人の出資持分とは、医療法人設立時に出資者が法人に対して出資を行い、出資した割合に応じて出資持分の払い戻しや解散時の残余財産の分配を受けられるものです。
平成18年に医療法が改正され、平成19年4月1日以降は出資持分ありの医療法人の新規設立はできなくなっていますが、法律が改正される前に設立された医療法人は「経過措置型医療法人」として現在も存続しています。
そのため、現在も全体の約7割が出資持分ありの医療法人です。

出資持分ありの医療法人でよくある問題

医療法人の出資持分は株式会社の持ち株に相当するものですが、医療法人では余剰金の配当が認められていません。つまり、経営状態が良い医療法人ほど内部保留される財産(余剰金)が増えていくことになります。 その結果、設立当初の持分の価値が1,000万円だったとしても、病院の経営状態が良く十数年後に1億円になっていれば、出資者からの払戻し請求に対しては1億円を支払う必要があるのです。 これにより、以下のような問題が発生しています。

出資持分の相続問題

出資持分を相続する場合、出資持分は資産と同じ扱いになるため、譲り受けた出資持分には税金がかかります。
相続税の計算は非常に複雑ですが、基本的には相続金額が多くなるほど支払う税額も高額となります。
出資持分の価値が上がれば、その負担はさらに大きくなるのです。
出資持分の相続問題は、税金だけではありません。
「理事長と後継者になる親族との間では話が決まっていたが、他の親族が内容をまったく知らされていなかった」「承継をしなかった他の兄弟が出資持分の払い戻しや残余財産の請求をしてくる」といったことも相続問題として、珍しい話ではありません。
出資持分の相続をスムーズに進めるためには、誰が相続するのか、出資持分はどうするかなど、早めに話し合いをしておく必要があるでしょう。

出資持分の取得資金問題

医療法人を部下に譲渡する場合、部下が出資持分の取得資金を用意しなければならないという問題があります。
出資持分を取得する場合、取得する本人が資金を用意しなければいけません。
つまり、医療法人を譲りたい部下が取得資金を用意できなければ、出資持分の譲渡は難しくなるのです。

第三者承継の難しさ

出資持分ありの医療法人を第三者に承継する場合も注意が必要です。
なぜなら、医療法人の社員は自然人(個人)に限られているため、株式会社などの法人が社員になることはできないからです。
株式会社が医療法人の出資持分を取得すること自体は可能ですが、それだけでは医療法人の経営に関する意思決定を行うことはできません。
株式会社に第三者承継をする場合、株式会社が選任した人材が、医療法人の社員となり、医療法人の社員総会にて選任された医師又は歯科医師が医療法人の理事長社員となる事で、(旧経営陣の社員を原則すべて交代させて)初めて経営権が移ることになるのです。
このように、医療法人の出資持分を株式会社に承継しようとすると、医療法に則った複雑な手続きが必要です。そのため、医療法人の第三者承継先は限られるというのが現実的で、譲渡先を探すのはかなり困難だと考えたほうが良いでしょう。

第三者承継手続きの煩雑さ

医療持分ありの医療法人の場合、譲渡先を探すだけでも大変ですが、仮に譲渡先が見つかったとしても手続きが非常に煩雑です。
そのため、出資持分ありの医療法人を第三者に承継する場合、医師が通常業務を行いつつ、一人でM&Aを進めるのはかなり難しいといえます。

出資持分あり医療法人の第三者承継・M&Aスキーム

出資持分あり医療法人の第三者承継のM&Aスキームには、「出資持分譲渡」と「出資持分払戻し」という2つの方法があります。これらの違いについて、あらためて整理しておきましょう。

出資持分譲渡

医療法人の出資持分譲渡とは、医療法人の出資者が自身の出資持分のみを第三者に譲渡するというスキームです。
出資持分の譲渡だけであれば、医師または歯科医師である必要はなく、株式会社などの法人へ譲渡することも可能です。
ただし、あくまでも出資持分(財産権)の譲渡であり、医療法人の議決権(経営権)と一致するものではないため、経営権を求める場合は、社員の入れ替えが必要となります。
出資持分を譲り受けた第三者が医療法人の経営に携わる意思がない場合は、出資者として出資持分のみを取得することも可能です。

出資持分払戻し

出資持分払戻しとは、前理事長などの出資者が出資持分の払戻しを受けたうえで医療法人を退職し、承継先となる第三者があらためて医療法人に出資をするともに、社員として入社するというスキームです。
出資者本人と譲り受ける第三者の合意があれば進められますが、医療法人の経営権を取得するには社員と理事の入れ替えをする必要があります。
そのため、出資持分譲渡と同様に、現在の社員や理事の同意を得られなければ難しいと言えます。

出資持分あり医療法人の第三者承継は名南M&Aにご相談ください

出資持分ありの医療法人のM&Aは、一般企業のM&Aと比較すると手続きが非常に煩雑なため、慎重に進める必要があります。医師が通常業務をこなしながら一人でM&A交渉まで行うのは、かなり困難と言って良いでしょう。
医療法人のM&Aには専門的な知識が必要なため、信頼できる仲介会社に相談し、サポートを受けるのがおすすめです。
名南M&Aでは、グループで全国約800件以上の病医院経営の安定・成長をサポートしてきた実績があります。
承継開業までの煩雑な手続きや交渉を、担当アドバイザーが窓口となり経験豊富な専門チームでバックアップします。
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