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医院開業に必要な準備や手続き、成功するために考えるべきこと
医院開業を成功させる秘訣は、事前の十分な準備と開業後の対策です。 そこで今回は、医院開業に必要な準備や手続き、成功するために考えるべきことについて紹介します。
開業医は勤務医よりも年収が高い傾向がありますが、開業する地域によって医師の年収に差があるという話を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、地方開業医のほうが本当に年収は高いのか、地域によって年収に差が生まれる理由について解説します。
厚生労働省「第23回医療経済実態調査の報告(令和3年実施)」によると開業医の平均年収は約2,807万円です。勤務医の平均年収は約1,491万円なので、開業医と勤務医の平均年収を比較した場合、開業医になると勤務医の1.88倍の年収が得られることが分かります。
また、診療科別にみると、脳神経外科、婦人科・産科、外科の年収が高くなっています。
医師の年収は、勤務医と開業医によっても差が生まれますが、診療科によっても差があります。
脳神経外科のように高度な医療技術が必要な診療科や産科・婦人科のように訴訟のリスクの高い診療科は、年収が高い傾向があります。
会社員の場合、地方よりも都心部のほうが給与額は高い傾向にありますが、医師の場合は逆のパターンも多くなっています。
会社員の給与額が都心部で高くなる理由には、地域別の最低賃金額が都心部のほうが高いこと、同じ会社でも政令指定都市にある支社や営業所のほうが給与額は高く設定されやすいといったことが考えられます。
一方、地方開業医の年収が高くなる理由としては、病院やクリニックの数が少ないため、1つの病院やクリニックに患者が集中しやすく、収益が上げやすいといったことなどが考えられます。
また、地方開業医は都心部の開業医と比較すると年齢が高いことが多く、年齢による経験の差も医師の年収の差につながるでしょう。
その他にも、地方の医師の平均年収が高くなる要因は大学病院の数も影響としていることも考えられます。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の2012年「勤務医の就労実態と意識に関する調査」から勤務医の経営母体別の平均年収を比較してみると、医療法人や個人(開業医)の平均年収は1,400万円を超えていますが、大学病院(国立の大学病院も含む)の平均年収は1,000万円に満たず、圧倒的に低いという結果が出ています。
地方の場合、大学病院は各道府県に対して1つある程度ですが、関東近郊などの都心部では、1つの都道府県に対して10施設前後あることもあり、このことが地方の医師の平均年収を上げる要因になっていると考えられます。
医師の年収に地域差が生まれる理由はいくつか考えられますが、病院数の減少、医師不足、介護医療や訪問看護のニーズの増加、地域医療を担う医師の高齢化などが挙げられます。
医師や看護師など医療従事者の慢性的な人材不足は地方だけではなく全国的にも問題になっていますが、医療設備や診療科目が充実している都心部では比較的若い医師が集まりやすい環境が整っています。
一方、地方では高齢者など医療機関を利用する人数が増加しているにもかかわらず、病院数は減少し、医師の募集を行っても思うように人材が集まらないと言われています。
人材不足を解消するための施策として高額の報酬を用意し、都市部からのUターン・Iターン医師を募る地方の病院も少なくありません。
総務省統計局の調査によると、総人口に対する高齢者の割合は年々増加し、1985年では10%でしたが、2021年では29.1%と3倍近くまで増えてきています。
高齢者の割合の増加に伴い、介護医療や訪問看護のニーズも年々増加しています。
特に地方では介護施設への入居を希望しても空きがないといったケースも多く、在宅療養支援診療所や訪問看護の存在が不可欠なものになっています。
在宅療養支援診療所として開業している医師の年収は、一般的な診療所の開業医の平均年収よりも高い傾向にあります。
地方には高齢者の割合が多い地域が多く、介護医療・訪問看護の需要が増加しているため、このような背景も地方開業医の年収が高くなる要因の一つと言えるでしょう。
医療業界で人材不足と同じように深刻な問題になっているのが、医師の高齢化です。
特に地域医療を担う地方開業医の平均年齢は、年々高くなってきています。
医師の平均年収は年齢とともに上がる傾向にあるため、若手医師の多い都市部よりも、地方開業医のほうが年収は高い傾向にあるのです。
地方開業医として成功するためには、地域で求められている医療のニーズを把握し、医療機関以外の施設との連携することが重要です。
Uターン開業やIターン開業を検討する場合は、以下のポイントを押さえておきましょう。
地方での開業に限りませんが、開業を成功させるためにはまず事前調査を行い、必要な情報を収集することが大事です。
Uターンであれば比較的必要な情報を集めやすいですが、Iターンの場合は、希望地域の特性、必要とされている医療、他の病院との連携や地域包括ケアシステムについてなど、幅広く情報を集めることが重要です。
地方開業医は、開業医の全国の平均年収よりも年収が高い傾向がありますが、地方で開業すれば必ず儲かるというわけではありません。
特に在宅療養や高齢者医療などを提供する場合、やりがいは感じやすいですが、その分医師の負担も大きくなります。しっかりとした信念がなければ、続けていくことは難しいかもしれません。
地方での開業を検討する際は、年収だけで判断するのではなく、どのような医療を提供していきたいのかなど、明確なビジョンや目標を持つことも必要です。
地方開業医の場合、かかりつけ医として地域に根強く密着しているクリニックが多いです。
また、後継者がいないクリニックの場合、地域医療を担うという役割からリタイアが難しく、院長が高齢になっても診療を続けているケースは少なくありません。
そのため、UターンやIターンでの地方開業をするのであれば、まずは医院承継による開業を検討するべきと言って良いのではないでしょうか。
医院承継による地方開業では、施設や患者を引き継げる以外に、他の病院や地域包括センター、介護施設など、周辺施設との連携に関する情報も得やすいことも大きなメリットです。
ただし、医院承継による開業は交渉や煩雑な手続きが必要になるというデメリットもあります。
そのため、医院承継によるUターン開業・Iターン開業を目指す場合は、信頼できる仲介会社を探すところから始めることをおすすめします。
地方開業医の平均年収は、都心部の医師よりも高い傾向にあります。
しかし、開業すれば必ずしも儲かるというわけではないので、年収が良いという理由だけで地方で開業することには注意が必要です。
その一方で、厚生労働省において「地域医療構想」計画が進められているように、在宅医療の充実や医療従事者の確保・養成などが進められており、地方開業医の需要はますます高まっていくことが予想されます。
地方開業を検討するのであれば、まず医院承継による開業を検討してみることをおすすめします。
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承継開業までの煩雑な手続きや交渉を、担当アドバイザーが窓口となり実績のある専門チームでバックアップします。
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医院開業を成功させる秘訣は、事前の十分な準備と開業後の対策です。 そこで今回は、医院開業に必要な準備や手続き、成功するために考えるべきことについて紹介します。