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病院経営における後継者問題、早期に検討すべき事業承継について
近年、後継者がいないといった理由から、経営状態が良いにもかかわらず閉院する病院が増加傾向にあります。後継者不足、後継者がいないという病院は年々増加しており、事業承継に関する早めの検討が必要となっています。 そこで今回は、病院経営における後継者問題、早期に検討すべき事業承継について解説します。
個人病院を開業するか、または総合病院や大学病院で勤務医として働くかは、医師として医業を行ううえで大きな岐路になるでしょう。
ほかにも、大学病院や診療所など、医師として医療に従事できる場所は複数あります。
この記事では、個人病院と総合病院、大学病院や診療所の違い、メリット、デメリットについて解説します。
個人病院とは、病院長個人が診療と経営の責任者であり、20床以上のベッドがある医療機関を指します。
個人が経営する医療機関の名称には、病院以外にも「クリニック」や「診療所」、「医院」などがありますが、無床または19床以下の場合は「病院」という名称をつけることはできません。
ほかにも「総合病院」や「大学病院」などの名称があり、それぞれ規模や役割に明確な違いがあります。
以前の医療法には総合病院という区分があり、総合病院という名称を付けるためには、以下の条件を満たしている必要がありました。
しかし、1997年(平成9年)の医療法改正により、法律上は総合病院という定義がなくなりました。
200床以上の入院施設があり、地域医療支援病院の承認を受けている病院は「地域医療支援病院」といいますが、便宜上は「総合病院」と呼ぶことがあるでしょう。
大学病院には、主に以下の3つの役割があります。
大学病院は、地域の個人病院や総合病院、診療所などと連携し、患者の治療を行います。
大学病院がほかの病院と最も違う点は、医師や歯科医師の養成に必要な実習を行い、将来の医師や歯科医師を育成する機関であることです。
大学病院は、医学部に通う医学生に実習や研修の場を提供することで将来の人材を確保する役割や、医療技術躍進のために医師を育成するという役割を担っています。
そのため、最先端の医療技術が必要な患者を受け入れたり、医師の育成や研究活動を行ったりしている点が、ほかの大病院とは異なっています。
病院と診療所の違いでもっとも分かりやすいのは、ベッド数です。
病院は少なくとも20床以上のベッドがある医療機関、診療所は無床またはベッド数が19床以下の医療機関なので、診療所は病院と比較すると規模が小さいのも特徴の一つです。
個人病院と総合病院や大学病院は、いずれも医療行為を行う医療機関ですが、それぞれ役割が異なります。
個人病院を開業するか、総合病院や大学病院で勤務医として働くべきか、迷っている医師もいるのではないでしょうか。
ここでは、個人病院開業と総合病院・大学病院勤務の違い、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
個人病院を開業するメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
個人病院の場合、総合病院よりも小さい規模からスタートできるので、自分の理想とする医療を実現しやすいというメリットがあります。
ベッド数もスタッフの人数も少なくて済むため、初期費用を抑えることにつながります。
また、個人病院の場合、医師個人の給与額を自分で自由に決められる点も嬉しいポイントです。開業して経営が安定すれば、所得を増やすこともできるでしょう。
個人病院を開業するデメリットとしては、規模が小さいゆえに、医師が一人でこなさなければならない業務が多い点が挙げられます。
医師としてはもちろん、経営者としての業務も行わなければならず、病院の経理やスタッフの労務管理、広告宣伝などの集患対策まで一人で行う場合には、負担が大きくなることが考えられるでしょう。
総合病院や大学病院で勤務医として働くメリットとしては、最先端の医療技術を学べる点が挙げられます。
新しい医療技術の推進は、大学病院としての大切な役割の一つです。多くの症例を通じて、医師としてのスキルを磨くことができるでしょう。
また、収入が安定しているのもメリットの一つです。
総合病院や大学病院で働く勤務医の平均年収は、およそ800~1,500万円程度です。
勤務年数や医師としてのスキル、働く病院などによって年収に幅がありますが、経営状況に左右されることなく決まった額の収入を得られるため、将来に向けた資産形成のプランなども立てやすいでしょう。
総合病院や大学病院で勤務医として働くデメリットとしては、拘束時間が長くなりやすいことが挙げられます。
個人病院であれば働く時間は自分で決めることができますが、勤務医の場合はそうはいきません。
夜勤の対応も必要になるため、生活が不規則になってしまう点はデメリットの一つです。
また、収入面でのデメリットもあります。安定した収入を得られる点は大きなメリットですが、個人病院のように給与額を自由に決められるわけではありません。
収入を増やすには、副業としてアルバイトをしたり、病院側との交渉が必要になるでしょう。
自分の理想の医療を提供したい、所得を増やしたいと考えている医師は、個人病院の開業医になることを検討してみるのも良いでしょう。
しかし、病院の開業には高額の資金が必要となり、開業の準備には手間と時間がかかります。
そのため、現在勤務医として働いている場合、勤務医の仕事と並行して個人病院の開業準備をするとなると、大きな負担になるのも事実です。
そこで個人病院の開業におすすめしたいのが、すでにある個人病院や診療所を引き継いで開業する「承継開業」です。承継開業なら、病院の建物や医療機器をそのまま使用することができ、患者やスタッフも引き継ぐことができます。新たに病院を作るよりも初期費用を抑えて開業がしやすく、開業後も経営を軌道にのせやすいでしょう。
個人病院の開業医は、総合病院や大学病院の勤務医とは違い、経営方針や診療方針を自分で自由に決められるため、理想の医療を提供しやすくなります。
個人病院をゼロから開業するとなると、かなりの費用と時間、労力が必要ですが、既存の病院をそのまま引き継ぐ承継開業なら、スムーズな開業と早期の経営安定化も可能です。
個人病院の承継開業は、医療承継の経験が豊富なM&A仲介会社を利用するのがおすすめです。
名南M&Aは、全国約800件以上の病医院経営の安定・成長をサポートしてきた実績とノウハウの蓄積があります。
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