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【病院経営の仕組み】適正な人件費率とは?計算方法や分析の仕方を解説

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病院経営を考えるうえで、重要な要素となるのが「人件費率」です。
多くの人材を確保すれば、患者に充実した治療を行うことができ、スタッフに良好な勤務環境を提供できます。しかし、人件費がかかり過ぎると、病院の経営を圧迫してしまうため注意が必要です。
この記事では、病院経営における適正な人件費率や計算方法、分析の仕方を解説します。

病院経営の基本!人件費コントロールの必要性とは

病院経営の基本!人件費コントロールの必要性とは

病院の収入には、「保険診療」によるものと「自由診療」によるものがあります。
ほとんどの病院では保険診療による収入がメインですが、保険診療の場合、医療行為の対価として診療報酬が支払われることになります。

病院経営の際は、診療報酬で得た収入から、人件費、医薬品、医療機器の購入費やリース代などの経費を支払います。
なかでも、最も大きな割合を占めるのが人件費です。

人件費を含めた経費が収入を上回ってしまうと、病院は赤字になります。
赤字の状態が長く続くと経営難に陥り、病院の継続が難しくなってしまうかもしれません。

つまり、赤字を回避して健全な病院経営を行うには、経費に占める割合が高い人件費の適切なコントロールが必要なのです。

病院経営において適正な人件費率はどれくらい?

病院経営における適正な人件費は、病院の規模や借入金の返済状況によって異なります。
一般的には、人件費率が60%を超えると経営が危なくなると言われているため、50%前後を目安にしておくと良いでしょう。

人件費率の計算方法

病院で人件費をコントロールするには、現状の人件費率を計算しておく必要があります。
人件費率は、病院の収入に対する人件費の割合なので、以下の計算式で計算することができます。

人件費率(%) = 人件費÷収入×100

病院の適正な人件費率

病院の適正な人件費率を考えるうえで大切なことは、分析を行うことです。

人件費率が高すぎる場合は病院経営を圧迫する可能性がありますが、反対に低すぎる場合は、スタッフの労働環境の悪化やこれによるモチベーションの低下につながります。
その結果退職者が増加し、人員不足に陥り、病院運営が成り立たなくなる可能性もあるでしょう。

病院の人件費率を適正なものにするためには、病院の人件費の分析を行うことが大切です。
スタッフの適切な人数や報酬額が把握できるようになれば、病院経営における改善点が見えてきます。

病院の人件費の分析方法

厚生労働省では、医療機関が安全かつ健全な経営を維持していくことを目的に、毎年「病院経営管理指標」を公表しています。
人件費率はもちろん、病院のグループや開設者別に経営に関わるあらゆる数字を見ることができます。

病院の人件費分析には、このような資料を上手に活用しましょう。他院と比較することで、自院の改善点が見えてくることもあるはずです。

病院が利益を上げるにはどうすればいい?

病院が利益を上げるにはどうすればいい?

病院の収益を上げる方法は、「医業収入を上げる」か、または「経費を減らして節約する」かのどちらかです。
ここでは、病院が収益を上げるための具体的な方法をいくつか紹介します。

コストを削減する

経費には、固定費と変動費があります。
固定費は、患者の数や収益に関係なく発生する費用で、賃料や人件費などが固定費にあたります。
一見すると固定費の削減は難しいと思われますが、以下のような対策によって減らせる可能性は十分あります。

  • 従来業務の内容やオペレーションを見直す
  • 正職員以外の雇用形態を視野に入れる
  • IT化により事務スタッフの人数を縮小する

一方で、変動費は患者数に応じて変動する費用です。
医薬品や診療材料を単価の低いものに変える、物品の適正在庫を把握し、余剰在庫を減らすなどを行うことでコストの削減は可能です。

患者の満足度向上を目指す

マーケティング用語の一つに「LTV(ライフタイムバリュー)」というものがあります。
ライフタイムバリューは、顧客生涯価値とも呼ばれ、1人の患者が病院に対して生涯にわたってもたらす利益のことをあらわしています。

これは、病院経営に限らずあらゆる企業で取り入れられている考え方です。
一般的に、新規の顧客を獲得するには、既存の顧客を維持するのに比べて、およそ5倍のコストや労力がかかると言われています。つまり、新規の患者を増やすだけではなく、一度来院してくれた患者がまた来たいと思える病院にすることで、ライフタイムバリューが向上し、病院の安定経営につながります。

一般的に、患者が病院に対して期待することは、以下の通りです。

  • 医師の説明のわかりやすさ
  • 看護師や受付担当スタッフの適切な対応
  • 病気に関する不安や心配事ごとの軽減
  • 待ち時間短縮のための工夫

このようなことを意識しながら病院経営をすると、患者の満足度の向上につながるでしょう。

病院の再編統合を行う

病院の再編統合とは、2つ以上の病院が1つになり、組織を組み直すことです。

厚生労働省では、約7割の病院が赤字経営になっていると発表しています。
実際に病院の数は平成2年をピークに、年々減少しています。

病院再編統合によるメリットは、以下の通りです。

    • 連携が強化される
    • 分野を分けることで機能の集中ができる
    • 業務の効率化が図られ、経費削減につながる

    病院の再編統合を行うことで、黒字経営に転換させることも可能になります。

    病院経営の改善・再編統合は名南M&Aにご相談ください

    病院経営の改善・再編統合は名南M&Aにご相談ください

    病院の経費の中で最も大きな割合を占めているのが人件費です。
    人件費率が高くなれば、病院の経営を悪化させるリスクはあります。
    また、かといって人件費率を下げることのみを優先すると、経営が悪化してしまうこともあるので注意が必要です。

    病院経営を改善するために大切なことは、現状分析を行い、必要な改善策を取ることです。
    収入を上げる、経費を削減する以外に病院経営を改善する方法として、病院の再編統合があります。
    病院の再編統合を行うことで、特定の機能を集中させたり、統合する病院がそれぞれ培ったノウハウを生かし合ったりすることで、黒字に転換させることも可能です。

    病院の組織再編・統合には煩雑な手続きや医療以外の専門知識が必要です。
    名南M&Aは、全国800件以上の病医院経営の安定・成長をサポートしてきた実績とノウハウの蓄積があります。
    病院経営の改善、再編統合は、名南M&Aにご相談ください。

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