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医院経営の状況・実態とは?開業後、経営難に陥らないための秘訣
医院の経営状態を良好に保つことは、経営者である医師にとってはもちろんですが、その医院で働くスタッフや医院を利用する患者にとっても大切なことです。しかし、実際は赤字経営に陥るケースも多く、統廃合を余儀なくされることも少なくありません。 そこで今回は、近年の医院経営の状況や実態について、今後医院開業を目指す医師に向けて、経営難に陥らないための工夫や対策について解説します。
小児科の開業医をめざしている医師にとって、年収がどう変わるのかは気になるところではないでしょうか。
そこで今回は、小児科の開業医の年収や、開業で失敗しないための注意点を解説します。
まずは、小児科医の年収について、勤務医と開業医の違いを見ていきましょう。
「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(2012年)によると、小児科の勤務医の平均年収は1,220.5万円です。
勤務医全体の平均年収は1,261.1万円なので、小児科の勤務医の年収はほぼ同水準だと言えます。
ちなみに、勤務医の年収がもっとも高い診療科は、脳神経外科の1,480.3万円で、もっとも低い診療科は眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科の1,078.7万円となっています。
令和3年に実施された「第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」によると、小児科の開業医の平均年収は、2,192万円です。
小児科の勤務医の平均年収は1,220.5万円なので、開業医のほうが1,000万円ほど高いことが分かります。
勤務医の年収は勤務先となる病院やクリニックが決定するため、自分の意思だけで大幅にアップさせること難しいです。
しかし、開業医になれば、自分自身の努力次第で年収を上げることができるようになります。
開業医としての年収を考えるときに注意しなければならないのは、クリニックの収益のすべてが医師の年収になるわけではないということです。
小児科の勤務医は、1年間の給与額+賞与額=医師の年収となり、そこから社会保険料や所得税が控除されて、手取り年収となります。
一方、開業医の場合、クリニックの医業収益から原価や医療機器のリース料、人件費などの経費が差し引かれたものが、医師としての事業所得となります。
事業所得へは所得税が課せられますし、国民健康保険料や国民年金保険料の支払も必要です。
さらに、開業資金の融資を受けた場合は毎月の返済が必要となるので、実際自由に使える手取り年収としては、思ったほど多くはないかもしれません。
小児科の開業で大幅な年収アップを狙うには、開業時の初期費用や経費をできるだけ少なく抑えて、毎月の支払や返済負担を減らすことが重要です。
医師や看護師などの医療従事者が不足していると言われる昨今ですが、実は小児科医の人数は年々増加しています。
「令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、1998年(平成10年)の小児科医の数は13,989人ですが、2020年(令和2年)17,997人まで増えています。
その一方で、総務省の発表によると、人口全体に対する子どもの割合は48年連続で減少しています。
つまり、小児科医の数は年々増加傾向にありますが、子どもの数は年々減少しているということです。
小児科の開業で失敗を防ぎ、年収アップを目指すなら、以下のような対策が必要になるでしょう。
小児科の開業に必要な資金の目安は、5,000~7,000万円程度とされています。
内訳としては建物設備費用が多くを占めますが、当面の運転資金も用意しておかなければいけません。
保険診療の場合、実際に報酬が入金されるのは2ヶ月先となります。
また新規開業の場合は、しばらく集患が難しいというケースも多いです。
そのため、小児科を開業する場合、最低でも2ヶ月分、できれば半年程度の運転資金を準備しておくことが望ましいでしょう。
小児科の開業には高額の資金が必要なため、全額自己資金で賄う医師はほとんど居ません。
多くの医師が銀行などの金融機関から融資を受けて開業します。
しかし、借りたお金は返さなければいけません。
あまり高額な融資を受けてしまうと、開業後の返済が負担となり、経営を圧迫する可能性もあるでしょう。
開業資金として用意すべき自己資金の割合は、全体の1割程度で良いとされています。
しかし、競争の激しい小児科の開業医になるのであれば、2~3割程度の自己資金を用意して返済負担を減らすようにすると、開業後の経営を軌道に乗せやすくなるでしょう。
小児科の開業医として成功するには、立地選びも重要です。
新規開業の場合、駅やバス停の近く、通りに面した視認性の高い立地などは人気があります。
ただし、このような立地の場合、すでに周辺に小児科がいくつも存在するケースは珍しくありません。
すでにかかりつけ医がいる場合、新しいクリニックができたとしても、積極的に足を運ぶ人は少ないのではないでしょうか。
そのため、小児科の新規開業では、競合の多いエリアはできるだけ避けたほうが賢明と言えます。
コンサルティング会社に依頼して診療圏調査を実施したうえで、適した立地を選ぶようにしましょう。
小児科では、待ち時間を減らすことが特に重要です。
体調が悪い子どもを待合室で長時間座らせておくのは負担になるため、嫌がる保護者が多いのです。
最近では、Web予約システムを導入したり、事前に問診票を入力できるようするなど、多くの小児科で待ち時間を減らす工夫が見られるようになりました。
また、小児科の場合、子どもの機嫌によって診察時間が長引いてしまうケースもあるため、同じ時間帯に予約できる人数を抑える、完全予約制を取り入れるといった工夫も必要になるでしょう。
小児科の新規開業で安定した集客を確保するには、乳幼児の予防接種の対応を行うのも効果的です。
赤ちゃんは、生後2ヶ月を過ぎたくらいから数種類の予防接種が始まり、その回数は半年間で15回以上にもなります。
一度予防接種を受けると、同じクリニックに引き続き通うケースが多いため、継続的な集患が期待できるだけではなく、かかりつけ医になれる可能性もあるでしょう。
予防接種の分かりやすいスケジュール表を配布するなど、丁寧な対応を心がけるのがポイントです。
小児科の開業には、新規開業以外に承継開業という選択肢もあります。
承継開業とは、既存クリニックの建物設備やスタッフ、患者等を引き継ぐ形で開業をすることです。
現在、医師の後継者不足は深刻化しており、日本には引退したくでもできない高齢の医師が数多く存在すると言われています。
このような医師からクリニックを引き継ぎ、新院長として開業するのが承継開業です。
開業医にとっては、初期費用を抑えられる、患者とスタッフを引き継げるなどのメリットがあり、新規開業に比べて経営を早期に安定させやすくなります。
また、クリニックを譲る側の医師にとっても、患者の引き継ぎ先やスタッフの雇用先を探す必要がなく、地域医療を支えたまま引退できる点は大きなメリットになるでしょう。
小児科の開業医は、勤務医と比較すると年収は高いです。
しかし、小児科を開業すれば必ずしも年収アップが期待できるわけではありません。
開業後にできるだけ早く経営を軌道に乗せて、かつ継続的に医業利益を得るには、今回紹介した「失敗しないポイント」もぜひ参考に、信頼できるコンサルティング会社を見つけることが重要です。
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医院の経営状態を良好に保つことは、経営者である医師にとってはもちろんですが、その医院で働くスタッフや医院を利用する患者にとっても大切なことです。しかし、実際は赤字経営に陥るケースも多く、統廃合を余儀なくされることも少なくありません。 そこで今回は、近年の医院経営の状況や実態について、今後医院開業を目指す医師に向けて、経営難に陥らないための工夫や対策について解説します。