皮膚科の開業は診療科選びが大事

皮膚科は、じんましん、にきびなど、皮膚に関する病気を扱う診療科です。 また、一般皮膚科以外にも、小児皮膚科、美容皮膚科など、標榜する診療科によって経営の仕方が大きく異なります。

最近では、医療脱毛やレーザー治療など、美容皮膚科を専門にしているクリニックも増えています。
しかし、医療用レーザーなど高額の医療機器を導入する必要があり、初期費用が高額となりがちです。また、特に都心部の美容皮膚科は競争が激化しているため、診療圏の調査を行ったうえで慎重な判断が必要になるでしょう。

皮膚科の開業にかかる費用・必要な資金

皮膚科の開業にかかる初期費用は、診療内容によって変わります。

一般皮膚科を開業する場合、レントゲンなど大がかりな医療機器を導入する必要はないため、初期費用は比較的抑えることができます。医師と数名のスタッフのみなら広いスペースは必要ないため、1,500～2,000万円程度の資金で開業することも不可能ではないでしょう。

一方で、美容皮膚科を開業する場合は、１台1,000万円以上もする高額の医療機器が必要なケースもあり、内装工事費も高額になりがちです。5,000万～1億円以上の開業資金が必要になることも珍しくありません。

皮膚科の開業医の年収、どれくらいが相場？

皮膚科の医師の平均年収は約1,000万円です。
皮膚科の開業医の平均年収は約2,800万円なので、勤務医と開業医の間には約2.8倍の年収差があることが分かります。

ただし、開業医の場合、クリニックの収益のすべてが医師の給与になるわけではありません。
翌月以降分の運転資金を残したうえで、借入金の返済もしていかなければならないでしょう。

年収が増えれば、その分税金や保険料の金額も上がります。
開業すれば必ず年収が増えるわけではなく、手取り年収は思ったよりも少なくなる可能性もあるでしょう。

皮膚科を開業するときの流れ・ポイント

皮膚科を開業すれば必ずしも成功できるわけではありません。
安定した集患ができなければ赤字経営に陥り、閉院せざるを得ない状況になってしまうこともあります。

ここからは皮膚科を開業するときの流れとともに、成功のために押さえておきたいポイントについて解説します。

立地・場所を決める

皮膚科の開業地の選定は、診療科・診療内容とターゲット層によって決めましょう。

例えば、一般皮膚科だけを診療科にする場合、開業予定地はターゲットとなる年齢層の人口、物件周辺の競合の有無、また近い将来開業予定の競合クリニックの情報などを事前にリサーチすることが重要です。

美容皮膚科をメインに開業する場合も、場所選びは慎重に行う必要があるでしょう。
美容医療を行うクリニックは年々増え、競争は激化していています。
そのため、駅から徒歩数分圏内に開業することで集患を狙う美容皮膚科が多く、特に都市部では駅周辺に美容皮膚科を専門にしたクリニックが密集しているのが特徴です。

都市部の駅周辺は、物件の賃料もかなり高額となるため注意したいポイントです。

開業物件を探す

皮膚科の開業にあたって物件を探すときは、以下のポイントをクリアした物件かどうかを確認してみましょう。

• 分かりやすい場所にある
• 診療に必要な天井の高さや広さがある
• 賃料が適切であること
• 駅やバス停など交通の便が良いこと
• 駐車スペースや周辺駐車場の有無

また、美容皮膚科専門のクリニックを開業する場合は、女性患者を集患しやすいように、オフィス街からの距離や周辺にショッピングや食事などができる施設があるかどうかも考慮して選ぶと良いでしょう。

内装デザインを決める

皮膚科の開業物件が決まったら、内装のデザインを決めていきます。

一般皮膚科の場合は、清潔感のある落ち着いた内装を心がけると良いでしょう。/p>

美容皮膚科の場合はコンセプトや女性が好むデザインを意識することが大切です。
美容皮膚科専門のクリニックの場合、一般診療とは異なり施術費用が高額になるケースが多いので、ホテルのような高級感のある内装デザインにするクリニックも多いです。

看護師などの人材採用

皮膚科を開業する際は、クリニックの内装工事と並行して、看護師などクリニックに必要な人材の募集、採用を行います。

一般皮膚科の場合、他の診療科のように緊急性の高い患者が少ないことから多くの応募が期待できるため、優秀な人材を確保できる可能性が高いと言えます。

美容皮膚科クリニックの場合、クリニックの人気や患者数は看護師が握っていると言われています。
施術は看護師が対応することになるため、看護師資格、美容の知識はもちろんですが、接客に関する意識が高い人材を確保することがクリニック成功のカギとなるでしょう。

ホームページ開設

皮膚科を開業した後、開業したクリニックの認知度を高め、効率良く集患するためには、ホームページの開設が必須です。

特に美容皮膚科は競合が多く、ホームページの情報から行きたいクリニックを探す人が多いです。また、インスタグラムなどSNSの活用も重要となるでしょう。

皮膚科の開業は医院承継も検討しよう

皮膚科の開業は、新規開業以外にも、既存の医院を承継して開業する「医院承継」という方法があります。

医院承継による開業のメリットは、高額になる開業資金を抑えられることと、経営を安定させるための期間を短縮できる可能性があることです。

皮膚科は、他の診療科と比較すると医師やクリニックの数が多く、新規で開業地を見つける場合、開業希望地周辺にすでに競合となる皮膚科クリニックがある確率も高くなっています。
そのため、なかなか開業地が決まらずに開業できないという医師も珍しくありません。

しかし、医院承継による開業であればすでに開業しているクリニックを利用して開業できるので、開業地の選択もしやすくなります。

皮膚科の承継開業は名南M&Aにご相談ください

承継開業による皮膚科の開業は、初期費用を抑えることができる、クリニックの実績を事前にある程度把握しておくことができるため経営を早く安定させやすいというメリットがある反面、交渉や手続きに時間がかかることがあります。

名南Ｍ＆Ａは、医院継承の煩雑な手続きや交渉は担当アドバイザーが窓口となり、医療承継の経験豊富な専門チームでバックアップを行っています。

皮膚科の承継開業を検討されている方は、名南M&Aにお気軽にご相談ください。