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クリニック開業までの流れ・スケジュールを解説

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クリニックの開業には、1年以上、最低でも6ヶ月程度の準備期間が必要だと言われています。
そこで今回は、クリニック開業までの流れとスケジュールについて解説します。

クリニック開業までのスケジュール

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クリニックの開業準備は、開業を希望する日の1年半~2年以上前から始めるのが理想的だと言われています。
開業方法によっても異なりますが、開業物件探しが難航する可能性もあるため、できるだけゆとりのあるスケジュールで進めることが望ましいでしょう。
また、クリニックの開業までにどんな準備が必要なのか、やるべきことやスケジュールを把握しておくと、スムーズに進めやすくなります。

そこでまずは、クリニック開業までの一般的な流れ、スケジュールについて紹介します。

コンセプトを決める(開業を決めたらすぐに)

クリニックの開業を決めたら、まずクリニックのコンセプトを決めましょう。
クリニックのコンセプトとは、「どんなクリニックにしたいか」という理念の基盤となるものです。


【コンセプトの例】
  • 地域の人がいつでも相談できるかかりつけ医としての役割を担う
  • 在宅診療に対応したクリニックとして地域住民を支える
  • 子どもから高齢者まで安心して通えるクリニックとして地域に根付いた診療を行う

クリニックのコンセプトを決める際にベースとなるのが、ターゲットとなる患者層や医師の専門性、診療方針です。
在宅医療や看取りを含めた医療を提供する場合は、24時間医療体制での医療提供が必要になるため、緊急時の入院医療機関との提携、訪問看護施設との連携、在宅療養支援診療所としての登録などが必要です。
また、緊急時の薬の処方に対応してもらえる薬局との連携が必要になるケースもあります。

コンセプトによって、開業に適した立地や連携先、必要な届け出なども変わってきます。
そのため、クリニックの開業を決めた時点で、ある程度のコンセプトは設定しておくことが望ましいのです。

事業計画の作成・診療圏調査を行う(12ヶ月~18ヶ月前)

開業するクリニックのコンセプトが決まったら、次に事業計画の策定を行います。
事業計画書は、開業資金の融資を受ける際に必要な書類となるので、第三者が納得できる資金計画や収支計画を立てる必要があります。

事業計画の作成と同時進行で、クリニックの開業エリアをある程度限定したら、診療圏調査をしましょう。
診療圏の調査とは、開業物件周辺の人口、競合となる病院やクリニックの数、立地(駅、周辺の商業施設、時間帯ごとの人口(人の流れ)、地域住民の行動範囲等)などを調べるものです。
開業後の集客に大きく影響するため、実績のある会社に依頼するのがおすすめです。

資金調達方法を検討する(7ヶ月~12ヶ月前)

事業計画を策定したら、次に資金調達方法を検討しましょう。
クリニック開業時の資金調達方法としては、以下のような選択肢があります

  • 日本政策金融公庫
  • 福祉医療機構
  • 医師信用組合
  • 銀行や信用金庫などの金融機関
  • ノンバンク
  • 補助金や助成金

一般的に開業資金の1割~2割の自己資金を準備しておくことが望ましいと言われていますが、自己資金の比率は融資の審査に大きく影響します。
自己資金がゼロでも開業は不可能ではありませんが、開業後の返済の負担や融資の審査の通りやすさを考えるとある程度の自己資金を準備したうえで、足りない分の資金調達方法を検討する必要があるでしょう。

開業立地を決める(6ヶ月~12ヶ月前)

診療圏調査の結果をもとに、クリニックの開業立地を具体的に決めていきます。
クリニックの開業には、土地を購入して建物を建築する「戸建て開業」と、既存の物件を借りる「テナント開業」の、主に2種類があります。
どちらの場合も事業計画に沿って適切な土地・物件を選定することが重要です。
不動産会社に依頼して探すのも良いですが、クリニックの開業コンサルティング会社のなかには、開業物件の紹介をサポートしてくれるところもあるので、上手に活用するのがおすすめです。

内装・外装工事(3ヶ月~6ヶ月前)

開業立地を決めて契約を終えたら、工事をスタートしましょう。
テナント開業であれば内装工事で3ヶ月程度、戸建て開業の場合は建築から外装・内装工事まで、少なくとも6ヶ月程度のスケジュールは見ておいたほうが良いでしょう。
内装工事のみの場合も、内装デザインの決定や工事業者の選定も含めると、開業予定日の6ヶ月程度前から準備を始めるのが理想です。

医療機器の発注(5ヶ月~6ヶ月前)

内装工事・外装工事と同時に、医療機器の選定・発注を行います。
最初から高額の医療機器を複数導入するとなると、かなりの初期費用がかかります。
そのため、リースや地域の検査機関との連携なども視野に入れながら、慎重に検討することが大切です。
医療機器の発注は6ヶ月程度前に行うのが一般的ですが、最近では半導体不足などの影響により、通常よりも納期が遅れる可能性があります。できるだけゆとりをもって発注手配をしておきましょう。

スタッフの採用(5ヶ月~2ヶ月前)

開業するクリニックの規模によっては、スタッフの採用に苦戦する場合もあります。
開業前の研修期間を考慮したうえで、遅くとも開業予定日の2ヶ月~3ヶ月前にはスタッフの募集を行い、面接を進めておくことが望ましいでしょう。

クリニックの開業時に必要なスタッフの人数については、以下の記事で詳しく説明しています。 ※公開前ですが、「クリニック 開業 スタッフ」の記事への誘導が良いと思います。

集患対策(5ヶ月前~1ヶ月前)

新たに開業するクリニックの場合、基本的に患者はゼロの状態からスタートします。
そのため、地域の人にクリニックの存在を知ってもらうための集患対策が必要です。

クリニック開業時の集患対策としては、主に以下のようなことが挙げられます。

    • ホームページの作成
    • 看板の作成
    • チラシの配布
    • 地方紙への広告掲載

    最近では、ホームページでWeb問診や予約受付などを行うクリニックも増えています。
    そのような場合は、さらに早めに準備を進めることが大切です。

    各機関への届け出

    クリニックの開業前には、保健所や厚生局などに必要な届け出や申請を行う必要があります。
    例えば、以下のようなものがあります。

          • 診療所開設届
          • 保険医登録申請書
          • 社会保険医療機関指定申請
          • 労災保険指定医療機関指定申請書
          • 医師会への入会届
          • 個人事業の開業届出書
          • 労災保険指定医療機関指定申請書
          など

    他にも、スタッフの社会保険・労働保険の手続きや納税に関する手続きも必要です。
    届け出や手続きによって期限が異なるため、漏れのないように進めていきましょう。

    クリニックの開業後、軌道に乗るまでの期間

    クリニックの開業後、どれくらいの期間で経営が安定するのか、不安に思う医師も多いのではないでしょうか。

    クリニックの開業後、軌道に乗るまでにかかる期間は、標榜する診療科、開業地周辺の状況、事前の集客対策などによって異なります。
    一般的に開業資金として最低2ヶ月~3ヶ月の運転資金が必要だと言われていますが、これは保険診療による収益が実際にクリニックに入金されるのが2ヶ月後になってしまうためです。
    できるだけ早く軌道に乗せるのが理想ですが、安定した経営ができるようになるまでに1年以上かかってしまうことも珍しくありません。

    クリニックの経営をできるだけ早く軌道に乗せたいという場合は、承継開業を検討してみてはいかがでしょうか。承継開業とは、すでに開業しているクリニックを引き継ぐ形で開業する方法で、以下のようなメリットがあります。

          • 初期費用を抑えられる
          • すでに地域の人に認知された状態でクリニックの経営ができる
          • 収益に関する数字の見通しが立てやすい

    クリニックの開業は名南M&Aにご相談ください

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    クリニックの開業準備は、思った以上に大変です。なかには2年以上の長期スケジュールになることもあります。
    さらに、クリニックを開業すればすぐに経営が安定するとは限りません。できるだけ短期間で経営を軌道に乗せるには、開業前の準備よりも、むしろ開業後のほうが重要だと言えるでしょう。

    クリニックの開業は、新規開業以外に承継開業という方法もあります。
    近年、医師の高齢化や後継者がいない等の問題から承継開業の件数が増加しています。
    名南M&Aでは、全国約800件の医療機関の業務サポートで培ったグループノウハウと医業専門チームが一丸となり、承継開業で必要な手続きのサポートを行っています。
    クリニックの開業は、名南M&Aにお気軽にご相談ください。

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