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クリニックの後継者はどうやって選ぶ?適任者がいないとき対処法も解説
クリニックは、地域医療を支える重要な存在です。しかしその一方で、後継者問題に悩む医師の数は年々増加傾向にあります。クリニックを創業した医師が安心してリタイアするには、早い段階から後継者について検討し、準備を進めておく必要があります。 そこで今回は、クリニックの後継者を選ぶ方法、適任者がいないときの対処法について解説します。
開業医の場合は勤務医と違って定年という概念がありません。そのため、開業医の平均年齢は高い傾向にあります。
そこで今回は、クリニックを開業する医師の平均年齢、開業時の年齢や引退年齢について解説します。
目次
厚生労働省の「令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、病院・診療所全体の医師の平均年齢は50.1歳ですが、診療所の開業医の平均年齢は60.2歳です。
病院の勤務医は30~59歳までの年齢の医師が最も多いですが、開業医の場合は50歳以上の割合が最も多く、医師全体の平均年齢と比較すると10歳以上の開きがあります。
クリニックを開業する場合、開業医が院長となり1人で診療を行うケースも珍しくありません。
そのため、十分な知識やスキル、キャリアが必要となりますが、開業資金の融資を受けることを考慮すると、できれは45歳くらいまでの開業を目指すのが望ましいと言えるでしょう。
クリニックの医師の引退時の平均年齢を明確に示したデータはありませんが、日本医師会が行った調査によると引退予定の平均年齢は73.1歳、最も回答数が多かった年齢は75歳という結果が出ています。
しかし、実際は70歳以上で開業医を続けている医師の割合は開業医全体の21.8%、60歳以上では約半数近くの医師が開業医を続けています。
75歳くらいで引退したいという希望があったとしても、実際に引退時の平均年齢をだしてみると、現実的には難しいということがよく分かるでしょう。
75歳までに引退したいという開業医が多いにもかかわらず、実際には75歳以上で現役医師を続けているケースは少なくありません。
開業医は、勤務医のように定年という概念がないため、医師本人が希望すれば年齢に関係なく仕事を続けることは可能です。
日本は高齢化社会が急速に進んでいると言われ、内閣府によると2036年には3人に1人が65歳以上の高齢者に、2060年になると国民の4人に1人が75歳以上の後期高齢者になると予想されています。
高齢化社会問題は、医師の世界も例外ではありません。
特に開業医の場合、定年がないというだけではなく、以下のような理由から、引退をしたくてもできない医師が増加しています。
開業医の引退ができない理由で最も多いのが後継者不足です。
後継者が見つからない場合、自分が辞めてしまうと地域の医療を支えられなくなるため、高齢なってもなかなか引退しづらい状況に陥ってしまいます。
地方では医師がいない「無医地区」と呼ばれる地域数が増加しています。
自身の引退後、患者を引き継いでくれる医療機関が周辺にない場合、その地域は無医地区となってしまいます。
現在通院中の患者をそのままにはできないため、引退したくてもできない医師も珍しくありません。
周辺に医療機関がない場合、スタッフの雇用についても、開業医が引退できない理由の一つになっています。
クリニックの院長は医師であると同時に経営者でもあるため、引退するにあたっては、スタッフの雇用先確保や退職金の支払いなども課題となります。
近年、病院の病床数は減少傾向にありますが、入院施設を持たない無床クリニックの数はわずかながら増加傾向にあります。
しかし、クリニックの数には地域差があるため、医療機関の少ない地方の場合、開業医の引退が地域医療に影響を与えてしまう可能性も考えられます。
クリニックの医師が適正年齢で開業・引退するには、後継者の確保とスムーズな承継が必要のため、早めに検討を始めるのがおすすめです。
日本医師会の調査によると、最有力候補を1名限定として後継者候補の属性をアンケートした結果、全体の88%が子どもと回答しています。
次いで子ども以外の親族が5.5%、自院の勤務医以外の非親族が3.5%、自院の勤務医が3.0%となっています。
しかし、実際は有床診療所では79.3%、無床診療所では89.3%の人が後継者なしと回答しています。
子どもにクリニックを継承するためには、子どもが医師であることはもちろんですが、子どもに継承する意思があること、診療科が同じもしくは近い診療科であることが必要です。
子どもがいても医師ではない、子どもに継ぐ意思がない、親と診療科が違うなどの理由から後継者がいない開業医は年々増加しています。
近年、第三者にクリニックを承継するケースが増えてきています。
承継開業は開業したい医師にとっても、引退したい医師にとってもメリットのある方法です。
45歳までにクリニックを開業したい医師にとって、承継開業は、初期費用を抑えて開業できるというメリットがあります。
一方、75歳までに引退を希望する医師にとっても、地域の医療とスタッフの雇用を確保して引退することができるため、スムーズな引退が可能となります。
ただし、承継開業は煩雑な手続きが必要になるため医師だけで行うのはあまり現実的な方法ではありません。
第三者への承継を検討する場合は、医院承継や承継開業の経験が豊富なM&A仲介会社に依頼することをおすすめします。
今回はクリニックを開業する医師の平均年齢、引退する医師の平均年齢について解説しました。
近年、日本では高齢化が進んでおり、医師の高齢化も例外ではありません。
そのため、クリニックの開業時の年齢、引退時の年齢も高くなってきています。
できるだけ早く開業したい医師や適正年齢で引退を希望している開業医は、承継開業も一つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
名南M&Aは、全国で800件以上の医療機関の業務サポートで培ったグループノウハウと医業専門チームが一丸となり、地域医療を後進に託す医師とその志を受け継ぐ医師のサポートを行っています。
クリニックの開業・引退は、名南M&Aにご相談ください。
クリニックは、地域医療を支える重要な存在です。しかしその一方で、後継者問題に悩む医師の数は年々増加傾向にあります。クリニックを創業した医師が安心してリタイアするには、早い段階から後継者について検討し、準備を進めておく必要があります。 そこで今回は、クリニックの後継者を選ぶ方法、適任者がいないときの対処法について解説します。