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クリニックの後継者はどうやって選ぶ?適任者がいないとき対処法も解説
クリニックは、地域医療を支える重要な存在です。しかしその一方で、後継者問題に悩む医師の数は年々増加傾向にあります。クリニックを創業した医師が安心してリタイアするには、早い段階から後継者について検討し、準備を進めておく必要があります。 そこで今回は、クリニックの後継者を選ぶ方法、適任者がいないときの対処法について解説します。
近年、閉院するクリニックの数が増加しています。コロナ禍などの影響により経営存状態が悪化し、継続が難しくなったことによる閉院もありますが、経営状態は安定しているにもかかわらず閉院を決断しているケースも少なくありません。
そこで今回は、クリニックが閉院する理由として多いものや、閉院を回避する第三者承継について解説します。
目次
クリニックが閉院する理由で多いものとしては、以下のようなことがあります。
帝国データバンクの2021年の調査によると、全国企業の後継者不在率は61.5%にものぼり、日本政策金融公庫の調査では、廃業した企業の約3割が後継者難を理由に廃業を決断しています。
後継者問題はクリニックの場合も例外ではなく、現在開業しているなかで、後継者がいないクリニックは7割以上にものぼるといわれています。
クリニックの後継者不足が起こりやすい理由としては、「医師免許を持つ子どもや親族がいない」「医師免許を持っていても、診療科目が違う」「クリニックを継ぐ意思を持つ後継者がいない」といったことなどが挙げられます。
子どもが医者なのでいつかは継いでくれるだろうと期待していたが、診療科が違う、勤務医を続けたいなどの理由から親が高齢になってクリニックを継ぐ意思がないことが分かり、やむを得ず閉院を決断してしまったということも起きています。
クリニックの問題は、後継者不足だけではありません。医師の高齢化も深刻な問題となっています。
厚生労働省「令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、勤務医の平均年齢は45.1歳ですが、開業医の平均年齢は60.2歳です。
特に開業医の場合、定年という概念がないため70歳を過ぎても現役を続けている医師も少なくはなく、その結果、高齢による体力の低下や体調不良などにより、閉院を決断せざるを得ないケースもあります。
クリニックの経営は地域や立地によって左右されやすく、赤字経営になってしまう個人クリニックも珍しくありません。
また、コロナ禍の受診控えによる影響を受け、患者数が激減したことで経営状態が悪化しているクリニックも増えています。
悪化した経営状態を戻すことができない、感染対策のための設備投資ができず、患者数がさらに減ってしまったなどの理由から、閉院に至ってしまうクリニックも実在しています。
後継者不在や経営の悪化を理由にクリニックを閉院すると、以下のようなトラブルや問題が発生する可能性があります。
クリニックに通っている患者のなかには、継続治療が必要な患者も多くいます。
特に地域医療を担うクリニックの場合、クリニックの閉院によって患者の治療に大きな影響を及ぼしてしまうのです。
やむを得ず閉院する場合は、このような患者の治療を引き継いでくれる別のクリニックを探し、紹介する必要がでてくるでしょう。
クリニックの閉院は、患者が治療の場を失うだけではなく、スタッフも仕事を失うことになります。
雇用していたスタッフが生活に困らないように再雇用先の確保も必要となります。
テナント開業のクリニックの場合、物件の解約に必要な費用や原状回復のための費用が必要になることもあります。
クリニックの規模によってはかなり高額の費用がかかることもあるため、特に経営状態の悪化によって閉院を決断する際は注意が必要です。
継続治療が必要な患者への対応と合わせて、前金で治療費を受け取っている場合には、未治療分の治療費の返金が必要になるケースもあります。
患者数が多い場合は高額となる可能性もあるため、事前に見積もっておく必要があるでしょう。
後継者がいないなどの理由で閉院を検討している場合、M&Aによる第三者承継を検討することで、クリニックの閉院を回避できるかもしれません。
クリニックの第三者承継は、譲り受ける側だけではなく、譲る側にも以下のようなメリットがあります。
信頼できる第三者にクリニックを譲ることで、これまで担ってきた地域医療を確保した状態でリタイアすることができます。
継続治療が必要な患者はそのまま治療を続けることも可能なため、別のクリニックや病院を探して紹介する必要はありません。
第三者承継は、クリニックの閉院を回避できるだけではなく、「志と地域医療を未来へつなぐ」ための前向きな選択の一つといえるのではないでしょうか。
クリニックを第三者に承継する場合、スタッフの継続雇用を条件とすることも可能です。
これまで働いてくれたスタッフの雇用を確保することができるうえに、スタッフが継続することで、患者も安心して通い続けられるなど、患者離れを防ぐことにもつながります。
クリニックを第三者に承継すると、クリニックの売却益を得ることができます。
売却益は、リタイア後の生活費はもちろんですが、これからの自分の人生を楽しむために利用することもできます。
第三者承継は、クリニックを譲る側だけではなく、クリニックを譲り受ける側にもメリットがあります。
通常、クリニックの新規開業には多額の初期費用が必要となります。
しかし、承継開業であれば既存の建物や医療機器、スタッフをそのまま引き継げるため、初期費用を大幅に抑えて開業することができるのです。
また、すでに患者がいる状態でクリニックの開業ができるため、早期に経営を安定させやすいというメリットもあります。
近年、後継者不足や医師の高齢化などを理由に、経営状態が良いにもかかわらず閉院をするクリニックの数が増加しています。
クリニックの閉院は、今まで通っていた患者と働いていたスタッフの働く場が失われるだけではなく、近隣住民にとってもこれから先の未来の医療の場を失うことを意味しています。
今まで大切に守り続けてきたクリニックを失わないために、第三者承継によるクリニック継続を検討してみてはいかがでしょうか。
名南M&Aは、全国約800件の医療機関の業務をサポートしてきた実績があります。
クリニックを譲りたい医師と譲り受けたい医師をつなぎ、想いの実現から成功のステージまで医師の皆さんの伴走者としてサポートをいたします。
クリニックの閉院を回避する第三者承継は、名南M&Aにご相談ください。
クリニックは、地域医療を支える重要な存在です。しかしその一方で、後継者問題に悩む医師の数は年々増加傾向にあります。クリニックを創業した医師が安心してリタイアするには、早い段階から後継者について検討し、準備を進めておく必要があります。 そこで今回は、クリニックの後継者を選ぶ方法、適任者がいないときの対処法について解説します。