開業物件の探し方

医院・クリニックの開業物件を探す前に、まずは物件探しに必要な条件を整理しましょう。

具体的には、以下の点をまとめます。

• 開業を希望するエリア
• 標榜する診療科
• 予算
• 開業スタイル（戸建て・テナント・居抜き・継承など）

そのうえで、以下のような方法で探すのが一般的です。

インターネットで探す

一般の住宅やオフィスと同様に、医院・クリニックの開業物件もインターネットで探すことが可能です。

開業を目指す医師向けに、医院・クリニックに特化した物件を紹介するサイトでは、実際に開業した医師が開業するまでの経緯や外観、内装の写真なども公開されています。

医師向けの開業物件サイトを上手に活用して、希望に合った物件を探してみるのも良いでしょう。

不動産会社に依頼する

医院・クリニック開業物件の探し方としては、医療業界に強い不動産会社に依頼するのも一つの方法です。

インターネットの場合、空いた時間を使っていつでも探せるというメリットがありますが、せっかく見つけた物件がすでに成約済という可能性も十分あります。

不動産会社の場合、インターネットでは公開されていない開業物件の情報を持っているケースもあります。
また、不動産のプロによるアドバイスを受けながら物件探しができる点も、大きなメリットです。

継承物件を探す

医院・クリニックの開業を目指すなら、継承物件をチェックしてみるのがおすすめです。
継承物件とは、譲渡先を探している医院・クリニックをM&Aによって譲り受けるというものです。

近年、医師の高齢化や後継者不足、経営難など、さまざまな理由から、譲渡先を探している医院・クリニックが増えています。
医院・クリニックの継承物件を譲り受ける場合、物件だけではなく医療機器や患者・スタッフもそのまま継承できます。
ゼロから開業するよりも初期費用を抑えることができ、立ち上がりのリスクも回避できるため、新規開業を目指す医師たちから注目を集める開業方法となっています。

開業物件を選ぶポイント

続いては、医院・クリニックの開業物件を選ぶ際に着目したい6つのポイントを紹介します。

開業エリアを決める

医院・クリニックの開業物件選びで特に重要なのは、エリアです。

「自宅に近いエリアで開業したい」「故郷に戻ってUターン開業したい」などの希望に合わせて、おおよその候補地を絞り込んでおきましょう。

希望の候補地が複数ある場合は、優先順位の高いエリアを中心に診療圏調査を行います。
調査結果をもとに、競合が少ないエリア、人口増加が期待できるエリアなど、将来性のある場所で開業するのがおすすめです。

視認性の高さ

医院・クリニックを新規開業する場合、視認性の高い開業物件のほうが集患しやすいです。

視認性とは、一見して医院・クリニックの存在を認識できるかどうかを指します。
例えば、大きな通りに面した物件やテナントビルの1階、ショッピングモール内などは、視認性の高い医院・クリニックの開業物件と言えるでしょう。

また、医院・クリニックの視認性を高めるには、看板やイーゼルの設置も有効です。
ただし、テナントビルやショッピングモールにある開業物件の場合、看板やイーゼルの設置が禁止されているところもあるので、事前に確認しておきましょう。

十分な広さがあるか

医院・クリニックの開業物件は、十分な広さがあるかも重要なポイントです。

開業物件に必要な広さは、診療科や診療方針、導入する医療機器によって異なります。
医院・クリニックの開業に詳しい不動産会社、開業支援を行うコンサルティング会社などに相談しながら、ちょうど良い広さの物件を選ぶのがおすすめです。

また、郊外で医院・クリニックの開業を希望する場合は、駐車スペース分の土地を確保できるかについても確認しておきましょう。

用途制限に注意

医院・クリニックの開業物件選びで注意したいのが、用途制限です。

例えば戸建て開業の場合、ちょうど良い広さの土地が見つかったとしても、高さ制限や建ぺい率などの条件によっては、建物の建築ができないケースもあります。

また、テナント開業の場合も、ビルのオーナーが用途を制限している物件もあります。
契約後に用途制限を知り、開業できなかったという事態に陥らないためにも、あらかじめ医院・クリニックの開業が可能かどうか確認しておきましょう。

費用は予算内に収まるか

医院・クリニックの開業には、多額の初期費用が必要です。
特に、開業物件の購入や賃貸契約には高額の費用がかかるため、予算内に収まるかどうかも大事なポイントの一つです。

戸建て開業の場合、土地代、建物の建築費用に加えて、200～1,000万円程度の内装工事費が必要です。

テナント開業の場合、契約時に仲介料、礼金・保証金、前家賃などを支払う必要があり、賃料のおよそ10ヶ月程度の初期費用がかかるのが一般的です。

フリーレントがある

フリーレントとは、一定期間の賃料が無料になる物件のことです。

テナント開業の場合、賃料は契約時から発生するのが一般的です。
契約後から実際に開業するまでの間、つまり内装工事や医療機器の導入を行うために必要な期間も、常に賃料は発生することになり、医師にとっては大きな負担となってしまいます。

契約後1～2ヶ月間の賃料が無料となるフリーレント物件であれば、この期間の費用負担を節約することができます。

医院・クリニックの開業には継承物件が人気

医院・クリニックの開業を希望する医師に人気が高いのは、継承物件です。

継承物件も、通常の開業物件と同じようにインターネットで探すことができます。
しかし、好条件の継承物件は、インターネット上に掲載される前に決まってしまうことも多いです。

医院・クリニックの継承物件を希望するなら、医療業界に特化したM&A仲介会社に依頼して、希望に合った物件を探してもらうのがおすすめです。

M&A仲介会社は、開業物件探しだけではなく、価格の交渉や契約、継承後の経営についてもサポートしてくれます。

M&A仲介会社を上手に活用すれば、現在勤務医として働いている医師が、一人で開業準備を進めることも不可能ではないでしょう。

医院・クリニックの開業物件探しは名南M&Aにご相談ください

医院・クリニックの開業物件探しは、開業後の収益にも大きな影響を与えます。
特に、医師が通常の仕事をこなしながら希望の物件を探し、診療圏の調査を行い、物件の契約や内装工事、医療機器の導入など、さまざまな開業準備をこなすのは至難の業でもあります。

開業物件探しは、医院・クリニックの開業支援を行うM&A仲介会社を利用するのがおすすめです。

名南M&Aには、東海・近畿圏を拠点に全国約800件の医院経営の安定・成長をサポートしてきた実績とノウハウがあります。
税務・労務・法務・不動産・資産形成等有資格者の専門家チームが一丸となり、案件紹介から開業までワンストップで医師のサポートを行います。
医院・クリニックの開業物件探し、継承物件については、名南M&Aにぜひご相談ください。