オススメ記事
クリニックのM&Aは難しい?価格相場や成功するためのポイント
近年、「後継者がいない」「医療報酬の引き下げによって経営が悪化してしまった」などの理由により、クリニックのM&Aが増えている傾向があります。 今回は、クリニックのM&Aのメリット・デメリットをはじめ、価格相場や成功するためのポイントを紹介します。
病院の開業を検討する際に気になるのが、開業にかかる費用ではないでしょうか。病院の開業にかかる費用は、開業する診療科目によっても異なりますし、病院の規模によっても異なります。
そこで今回は、病院の開業にかかる費用はどれくらいなのか、費用の内訳や開業資金の目安を紹介します。
※本記事中では、いわゆる診療所(クリニック)を総称し病院と記載しており、医療法の定める病院とは異なる点にご注意下さい。
病院の開業までにかかる費用としては、物件取得に必要な初期費用、施設の内装工事費、医療機器の購入費用、病院に必要な備品の購入費、運転資金などがあげられます。
まずは、病院の開業までに必要なそれぞれの費用について、内訳や金額の目安を紹介していきます。
新たに病院を開業する場合、土地を購入して新しく建物を建てるケースと、賃貸物件を借りるケースがありますが、賃貸物件を借りる場合でも、「保証金」「仲介手数料」「初月の賃料」などの初期費用が必要となります。
保証金の相場は家賃の6ヶ月~12ヶ月分が目安となり、仲介手数料の相場は家賃の1ヶ月分程度が目安です。
さらに賃料については契約後すぐに発生するため、内装工事にかかる期間分の賃料についても考慮しておく必要があるでしょう。
開業する病院の内装工事にかかる費用は、病院の規模や診療科目によっても異なりますし、使用する材料のグレードによっても異なります。
病院を新規開業する場合にかかる内装工事費用の目安は、以下のとおりです。
診療科目 | 内装工事費の目安 |
---|---|
内科・外科(X線室あり) | 30万円~60万円/坪 |
耳鼻科・眼科・皮膚科・整形外科(X線室なし) | 20万円~60万円/坪 |
歯科 | 30万円~100万円/坪 |
購入する医療機器の費用は、診療科目によって異なるだけではなく、どの程度の設備を整えるのかによってもかかる費用は変わってきます。
病院の新規開業にあたって一般的に必要とされる医療機器費用の目安は以下の通りです。
診療科目 | 必要な医療機器の金額の目安 |
---|---|
内科 | 約1,800万円~3,500万円 |
整形外科 | 約2,000万円~ |
眼科 | 約2,000万円~4,500万円 |
精神科・心療内科 | 約400万円~ |
産科・婦人科 | 約2,000万円~ |
小児科 | 約1,000万円~ |
病院を開業して患者さんの診療を始めても、実際に病院に診療報酬が入るのは2ヶ月後となります。そのため、最低でも3ヶ月分の運転資金、できれば半年~1年分の運転資金を用意しておくと安心です。
病院を開業するにあたっては融資を受ける方がほとんどです。しかし、融資を受ける場合もある程度の自己資金は必要となるため、どれくらいの自己資金があれば病院の開業ができるのかが気になる方も多いでしょう。
一般的には、初期費用に必要な総額の2割程度を自己資金で準備しておくと負担が減ると言われています。
実際に開業した人が自己資金として準備した金額は、5,000~7,000万円程度が最も多く、次いで2,000~3,000万程度が多くなっています。
また、病院の開業に必要な資金は、開業する病院の診療科目によっても異なります。
主な診療科目の開業資金の目安は以下の通りです。
診療科 | 必要な土地の面積 | 建物に必要な費用 | 内装工事費 | 医療機器 |
---|---|---|---|---|
内科 | 35坪~50坪 | 3,000万円~ | 1,000万円~3,000万円 | 約1,800万円~3,500万円 |
整形外科 | 55坪~70坪 | 4,000万円~ | 1,100万円~4,200万円 | 約2,000万円~ |
眼科 | 30坪~40坪 | 2,500万円~ | 600万円~2,400万円 | 約2,000万円~4,500万円 |
小児科 | 30坪~40坪 | 2,500万円~ | 900万円~2,400万円 | 約1,000万円~ |
眼科や小児科の場合、土地の面積や必要な医療機器の金額を比較的抑えることができますが、内科の場合は医療機器や内装工事にかかる費用が多くなる傾向があり、整形外科の場合はリハビリ室に広い面積が必要になるため、土地代、内装工事費が高くなります。
必要な面積が狭く、高額の医療機器が必要ではない診療科目であれば数千万程で開業できる可能性がありますが、必要な面積が広く、高額の医療機器の設置が必要になる診療科目の場合は、1億を超える資金が必要になります。
また、病院の開業資金としては、上記の費用に加えて備品代やスタッフの採用費や人件費、運転資金も見込んでおかなければなりません。
新規で病院を開業する場合、収入が安定するまでに時間がかかることがあるため、ある程度自己資金があった方が開業後の負担を減らすことができます。しかし、自己資金が少ないと病院の開業はできないのかというと、そういうわけではありません。
開業の仕方によっては必要な初期費用を減らすことが可能なため、自己資金に不安がある方や融資に不安がある方は、病院開業の実績が多いコンサルタント会社に相談してみてはいかがでしょうか。
病院の開業にかかる費用を抑える方法としておすすめなのが、医院承継による独立開業です。
現在、日本では高齢化が深刻な問題になっていますが、これは病院経営においても同じです。経営者の医師が高齢になり、かつ後継者がいない病院の数は年々増えています。
医院承継は、高齢により閉院を希望している医師の病院を承継して開院することができるため、病院の開業に必要な工事費や医療機器の購入費用といった初期費用を大幅に抑えることができ、抑えることができます。また、安定した病院経営を行うためには、安定した集患と病院で働くスタッフを確保する必要がありますが、医院承継による開業なら病院のスタッフや患者もすべて引き継ぐことができるため、集患や人材採用に必要な費用を節約することができるのです。
病院の新規開業には多額の費用がかかります。医院承継による開業は、開業にかかる初期費用を大幅に抑えることができますが、スムーズな引き継ぎを行うためには承継元との交渉だけではなく、既存のスタッフや患者さんとの信頼関係を築いておく必要があります。また、一般的な店舗や会社の開業とは異なり、手続きしなければならないことも多いため、病院の開業を成功させるためには、信頼できるM&A仲介業者に依頼するのがおすすめです。
名南コンサルティングネットワークは、事業承継支援20年にわたる実績があり、800件の医療機関への業務支援実績があります。病院開業までの煩雑な手続きや交渉は担当アドバイザーが窓口となり、実績のある専門チームでバックアップをしていきます。病院の開業費用を抑えたい方は、名南M&Aにお気軽にご相談ください。
近年、「後継者がいない」「医療報酬の引き下げによって経営が悪化してしまった」などの理由により、クリニックのM&Aが増えている傾向があります。 今回は、クリニックのM&Aのメリット・デメリットをはじめ、価格相場や成功するためのポイントを紹介します。