精神科の開業医の年収は？

一般的に開業医は勤務医と比較すると年収がアップすると言われています。
まずは、厚生労働省の調査報告をもとに、開業医全体の平均年収と精神科の開業医の平均年収を比較してみましょう。

開業医（全体）の平均年収は2,231.6万円

「第23回医療経済実態調査」によると、開業医の平均年収は2,231.6万円です。
勤務医（全体）の平均年収は病院勤務で1,467.8万円、診療所勤務で1,083.4万円なので、開業医になれば1.5～2倍の年収が期待できることになります。

給与という形で報酬が支払われる勤務医の場合、急激な年収アップは難しいです。
しかし、開業医になれば医師の努力次第で大幅に年収を増やすことも可能です。

精神科の開業医の平均年収は3,229.6万円

「第23回医療経済実態調査」によると、精神科の開業医の平均年収は3,229.6万円となっています。
開業医全体の平均年収と比較すると1,000万円ほど高く、他の診療科と比べても高額の年収が期待できます。

また、1年前の「第22回医療経済実態調査」を見ると、精神科の開業医の平均年収は2,455.8万円となっています。つまり、精神科の開業医の年収は、1年で約700万円近く増加していることが分かります。

精神科の開業医の手取り年収は？

精神科医は、勤務医よりも開業医のほうが年収は多い傾向にあります。
しかし、年収が上がると社会保険料や税金として引かれる金額も増加するため、手取り年収がどれくらいになるかは押さえておきたいポイントです。

例えば、精神科の開業医の平均年収3,229.6万円の場合、手取り年収は概ね1,900万円程度となります。
開業資金として融資を受けていた場合は、手取りの収入から返済をすることになるでしょう。

精神科の勤務医の年収は？

独立行政法人労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、精神科の勤務医の平均年収は1,230.2万円です。

手取り年収は850万程度なので、精神科の勤務医と開業医では、年収に1,000万円近い差があることになります。

精神科の開業医が年収を上げるコツ

精神科の勤務医と開業医では、開業医のほうが年収は高い傾向にあります。
しかし、開業すれば必ず年収が上がるというわけではありません。
実際、開業に失敗して廃業を余儀なくされてしまう精神科医もいるので注意が必要です。

ここからは、精神科の開業医として年収を上げるコツを紹介します。

専門性の向上

「令和２(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」から診療科別の医師数を見てみると、精神科の医師は比較的少ないという結果が出ています。
そのため、医師の人数が多い内科や外科と比べると、競合は少ないと言えるでしょう。

しかし近年、精神科の開業は増加傾向にあります。
競合となる医院が多い場合、専門性の高い精神科クリニックほど患者を集患しやすくなるため、精神科の開業医として成功するには、最新の研究や治療法について学び続けることが重要です。

マーケティング

どんなにすばらしい医療を提供できたとしても、患者が来ない精神科クリニックは収益をあげることができません。
新しく開業したクリニックに集患するには、効果的なマーケティング戦略の立案が求められます。

まずは、「自院の強み」「診療圏の環境」「患者のニーズ」の3つを知ることが重要です。
マーケティングは医師自身が行うこともできますが、医療に詳しいコンサルティング会社に依頼することも可能です。

患者の信頼を得る

精神科クリニックを開業して成功させるには、患者の信頼を得ることが重要です。

患者数を増やすことばかり考えてしまうと、医師の考えを一方的に押し付けられている、話を聞いてもらえないなど、不信感を抱かれる可能性があります。

一人ひとりの患者と真摯に向き合い、良好なコミュニケーションと共感によって信頼関係を築いてきましょう。

承継開業を選択する

精神科クリニックの開業方法には、「新築で建物を建てる」「テナント物件で開業する」などがありますが、「承継開業をする」という方法もあります。

承継開業とは、すでに開業しているクリニックを引き継いで開業するものです。
承継開業なら患者やスタッフを引き継ぐことができ、建物や医療機器もそのまま利用できるため初期費用を抑えることが可能です。
また、診療圏周辺の住民にクリニックの場所が認知されている状態でスタートできるため成功しやすくなります。

ただし、承継開業を行う場合は承継元となる相手を見つけて交渉を行う必要があるため、医師一人で進めるのは現実的ではありません。
承継開業を選択する場合は、医院承継の経験が豊富なM&A会社に依頼するほうが良いでしょう。

精神科の承継開業は名南M&Aにご相談ください

精神科の開業医になると、勤務医時代と比べて大幅に年収アップできる可能性もあります。
しかし、その一方で「初期費用がかかりすぎた」「集患がうまくいかなかった」などの理由から、精神科の開業に失敗してしまうケースもゼロではありません。

精神科の開業医として年収アップを目指すなら、リスクの低い「承継開業」を検討してみてはいかがでしょうか。

名南M&Aは、20年にわたる事業承継支援実績と、全国で800件以上の医療機関への業務支援実績があります。
承継開業までの煩雑な手続きや交渉を、担当アドバイザーが窓口となり実績のある専門チームでバックアップを行います。
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