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歯科医院を親子継承するメリット、必要な手続きや注意点を解説

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歯科医院の後継者として、子どもに引き継いでもらいたい、引き継がせたいという医師も多いでしょう。
今回は、歯科医院を親子継承するメリットや必要な手続き、注意点について解説します。

歯科医院の親子継承とは

歯科医院の親子継承とは

歯科医院の親子継承には、「生前継承」と「死後継承(相続)」の2種類があります。

生前継承の場合、継承後も親が歯科医師として診療に関わることができるため、引継ぎ期間を長く設けることができ、患者離れやスタッフ離れを防げるというメリットがあります。
また、死後継承で起こりがちな相続トラブルも回避できるため、生前継承を選ぶ歯科医師が多くなっています。

生前継承の方法としては、生前贈与と親子間売買のどちらかを選択するのが一般的です。 生前贈与の場合は贈与契約書を締結し、歯科医院を引き継いだ子どもが贈与税を負担します。親子間売買では売買契約書を締結し、歯科医院を売却した親が譲渡所得税を負担することになります。
どちらが良いかを一概に言うことはできませんが、親子間でしっかりと話し合い、お互いが納得する方法を選ぶことが大切です。

一方、死後継承の場合、医院の継承者や遺産の分配についての希望は遺言書に残すケースが一般的です。
また、歯科医院を継承する子どもが相続税を負担することになります。

歯科医院を親子継承するメリット

歯科医院を親子間で継承する主なメリットは、以下の3つです。

初期費用を抑えられる

歯科医院を新規開業する場合、高額の初期費用が必要です。
特に歯科医院の場合は、歯科ユニットなど高額の医療機器の導入が必要なため、開業資金は5,000万円以上という診療所も珍しくありません。戸建て開業を希望する場合は、土地代や建物の建築費用が必要になるため、さらに金額が増えるでしょう。

親子継承ができれば、歯科医院の建物や医療機器を引き継げるため、子どもは初期費用を抑えて開業が可能です。

患者を引き継げる

患者の引継ぎが容易な点も、歯科医院を親子継承する大きなメリットです。
院長の人柄や技術を信頼して通っている患者の場合、院長の引退と同時に来院しなくなるというケースも珍しくありません。

親子継承であれば継承後も一緒に働きながら引継ぎができるため、患者離れを防ぐことにつながり、経営を安定させやすいと言えます。

スタッフの雇用を確保できる

引退する院長にとって気になるのが、スタッフの雇用ではないでしょうか。
自分の引退と同時にスタッフが仕事を失うという事態は避けたいと考える医師が多いです。

歯科医院の親子継承は、患者だけではなく、スタッフも引き継ぐことが可能です。
働くスタッフも、後任の経営者が院長の子どもであれば、引き続き安心して働くことができるでしょう。

また、経営を引き継ぐ側としても、新たに求人募集をしたり、人材教育を行う必要はなく、オペレーションや患者に慣れたスタッフにそのまま働いてもらえるというメリットがあります。

歯科医院の親子継承に必要な手続き

ここからは、歯科医院の親子継承に必要な手続きについて説明します。
契約や官公庁への届出など歯科医院の継承に必要な手続きは、親子間の継承であっても、第三者への継承であっても基本的には変わりません。
継承のタイミングで漏れや遅れが起こらないように、事前に把握しておきましょう。

継承に関する契約の締結(親子)

歯科医院の親子継承で必要な契約は、継承方法や対象となる資産によって異なります。
前述の通り、生前贈与の場合は「贈与契約」、親子間売買の場合は「売買契約」を締結しましょう。
また、土地や建物、医療機器などは、「賃貸借契約」「使用貸借契約」を締結するケースもあります。
契約内容によって必要な資金やかかる税金が変わってくるため、専門家に相談しながら検討するのが良いでしょう。

廃業届の提出(親)

歯科医院の親子継承によって、経営権は親から子に移ることになります。
それに伴い、親は「廃業」に関する以下の手続きが必要です。

手続きの内容 届出先 期限
診療所廃止届 保健所 廃止後10日以内
保険医療機関廃止届 地方厚生(支)局 事務所等 廃止後10日以内
事業廃止届出書 税務署 廃止後すぐに
個人事業の開廃業等届出書 税務署 廃止後1ヶ月以内
給与支払事務所等の廃止届出書 税務署 廃止後1ヶ月以内
診療用エックス線装置廃止届 保健所 廃止後10日以内

開業届の提出(子)

親子継承で歯科医院を譲り受ける子は、「開業」に関する以下の手続きが必要です。

手続きの内容 届出先 期限
診療所開設届 保健所 開業後10日以内
保険医療機関指定申請書 地方厚生(支)局 事務所等 診療所開設地管轄の地方厚生(支)局事務所で決められている期限まで
保険医療機関遡及願 地方厚生(支)局 事務所等 ※この手続きを行わなかった場合は、保健医療機関指定申請の手続きが完了するまで、保険診療ができません。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書 税務署 通常は毎月源泉徴収を納付する義務がありますが、給与支給人員が常時10人未満の場合はこの申請が通れば年2回にまとめられます。
麻薬施用(管理)者免許申請 保健所 締め切り、期間は地域ごとに異なる
診療用エックス線装置備付届 保健所 開設後10日以内
青色申告承認申請書 税務署 開業後2ヶ月以内
青色専従者給与に関する届出書 税務署 経費算入開始の2ヶ月以内

廃業または開業に必要な届出は、開業地によって異なる場合があります。
届出先、期限などをあらかじめ確認しておき、期限内に手続きを済ませましょう。

歯科医院を親子継承する際の注意点

歯科医院の親子継承は、院内継承や第三者継承に比べてスムーズに進めやすいと言われていますが、トラブルがまったく起こらないわけではありません。
ここからは、歯科医院を親子継承する際の注意点をいくつか紹介します。

財務関係を整理する

歯科医院の親子継承を予定しているのであれば、財務関係は早めに整理しておきましょう。
特に個人医院の場合、事業経費とプライベートな支出がごちゃ混ぜになってしまっていることも珍しくありません。
また、財務に関する情報は、現在の院長である親にしか分からないというケースも多いです。
親子間での不用なトラブルを回避するためにも、財務関係の整理は早いタイミングから始めておくことが重要です。

引き継ぎ期間を設ける

親と子の価値観や診療方針は、必ずしも一致するとは限りません。
親子間で価値観や診療方針の違いがあると、患者やスタッフに混乱をきたす場合があります。

歯科医院の親子継承では、前院長の方針を踏襲しながら、少しずつ新しいやり方を浸透させるのが良いでしょう。
段階を経てから完全移行できるように、引き継ぎ期間を設けておくことが望ましいです。

継承を検討するタイミングは早いほうが良い

歯科医院の親子継承を考えていたとしても、「現時点では何も検討していない」「子どもと将来の具体的な話をしたことがない」という院長は多いのではないでしょうか。

歯科医院を親子間で継承するには、親だけではなく、引き継ぐ側の子の意思も必要です。
親が引き継いでほしいと思っていても、子どもには子どもの考えがあるため、断られるケースもゼロではありません。
親子継承だからこそ、検討するタイミングはできるだけ早いほうが良いでしょう。

歯科医院の親子継承は名南M&Aにご相談ください

歯科医院の親子継承は名南M&Aにご相談ください

歯科医院の継承は、親子間であってもさまざまな手続きが必要です。
また、親子継承だからこそ、第三者の仲介を入れたほうが、トラブルを回避できるケースもあります。

名南M&Aは、全国で800件以上の医療機関の業務サポートで培ったグループノウハウと、医業専門チームが一丸となり、親子継承のサポートを行います。医院継承の支援に留まらず、開業後は経営の安定・成長に向けてグループ全体で徹底的に医師のサポートを行っています。
歯科医院の親子継承をご検討の際は、名南M&A株式会社にお気軽にご相談ください。

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